医療行政トレンド解説 No.1 医療行政トレンド解説 No.1 (オンライン版)
1999/01/08 発行

【まえがき】
2000年は公的介護保険スタートの年、そして同時に医療保険制度抜本改革の本格的開始の年と目されている。1999年は、いわばそれに至るつなぎの年。医療界の大変革を前にして、医療行政のトレンド(傾向)を把握することは、今や職種を問わず、すべての医療従事者にとり、仕事の方向を見定めていく上での必須条件となっている。今後とうぶん月1回ペース、1回1テーマ方式で、医療行政についてのトレンド解説を行う予定である。参考にされたい。

参照価格制とは?

◎参照価格制とは?

げんざい薬剤の参照価格制が焦点化している。
参照価格制とは、薬の保険給付に係る制度の一種で、現行の薬価基準制度にかわるものとして構想されている。ただし、最近(98年11月)厚生省事務当局が「たたき台」として提案している制度は「参照価格制」という名ではなく、「給付基準額制」となっている。内容的にも97年8月の厚生省案とは若干異なってきている(*注1)。だが基本的にはそう変わりがない。(参考:厚生省HP「議論のたたき台」
下図は「給付基準額制」を図示したものである。

給付基準額制概念図

◎参照価格制のねらい

「給付基準額制」になると、給付基準額よりも高い薬には高い患者負担が発生する。「給付基準額制」は、これにより、より低価格の薬が選択されるようになり、医療費の増大に歯止めがかかるもの、と説明されている。しかし、その効果には疑問の声が多い。

◎参照価格制への批判

参照価格制に対しては、第1に「(厚生省による)統制経済の再強化」との批判がある。また、その他にも「製薬メーカーが却って高い届出価格を設定するようになり、薬代は高くなる」「(自費と保険との)混合診療である」「(医療非課税の)消費税の原則に違反する」等々の声がある。

※注1:97年8月の厚生省案(「医療保険制度抜本改革」の中の一部)では、薬価制度を廃止し個々の薬品ごとの定価を定めないとの内容であった。ところが今回の厚生省提案では、薬剤定価を定めるとしている。これでは「統制経済」には全く手がつけられていないことになる。

タイトル一覧へホームページに戻る掲 示 板mailto:BXJ05037@nifty.ne.jp