◎外総診とは
外総診は、外来にかかる保険点数の一種。診療所、中小病院(200床未満)のプライマリケア機能を評価したもので、96年に新設された。都道府県へ届出を行った医療機関でのみ算定できる。算定対象は老人の慢性疾患患者。診察のさい生活指導等を行った場合に、月2回を限度として算定できる。点数は735点/回(院外処方箋を交付する場合)で、この点数の中に生活指導料および検査・投薬・注射料がマルメられている。
また、外総診は「かかりつけ医点数」と呼ばれている。基本的に、1人の患者がただ1人の主治医を持つとの想定の上に立った点数であり、それゆえ複数医療機関で同一月に重複算定すること ができないようになっている。
◎外総診の本質的特徴
厚生省は、診療所等が外総診を採用することを推進している。このことは、97年の健保法等改訂のさい、薬剤料別途負担の導入にさいし、外総診算定患者が負担から除外されたことを見ても明らかである。(老人の薬剤料別途負担が廃止された今では、患者にとって特段のメリットはないが…)
やや繰り返しになるが、外総診の本質的な特徴のうち重要と思われるのは、次の点である。
このように、単なる診療報酬点数の1つに過ぎない外総診だが、かくも深く、厚生省の政策意図と結びついているのである。
1. 算定できるのが診療所・中小病院に限られていること (患者の大病院指向是正) 2. 院外処方有利の点数設定であること (医薬分業推進) 3. 外来医療における定額制の先取り実質化であること (診療報酬の定額制推進)
◎当院における外総診の算定実績
次の表は、当院における本年8月度の外総診の算定実績である。
| 実 人 数 | 来 院 数 | 外総診 算定回数 | |
|---|---|---|---|
| 外総診を 算定した患者 (対 全患者 %) | 249 (16.3) | 605 (14.4) | 430 |
| 全外来患者 | 1,531 | 4,197 | − |
また、診療報酬点数的には、外総診を算定した患者に係る総請求点数は、全外来患者の21.5%(99年8月)を占めている。当院において、老人慢性疾患患者がどれほどの勢力であるかが分かる。
◎老人の自己負担が定率になると……?
ところで、老人の医療費自己負担は1割程度の定率制となる可能性が濃厚だ。だがそうなるとおかしな現象がおきるかもしれない。慢性疾患で月2回の診察と、院外処方箋による投薬を受けている老人患者の場合、自己負担割合1割とすると1月の負担額は、外総診の場合 1,580 円(病院の場合)、出来高(再診+外来管理加算+処方箋料)の場合 360 円となり、外総診の方が患者にとってはえらく割高になる(もっとも、調剤薬局での負担がどうなるかは分からないが……)。
コスト意識の高い患者は、外総診を届け出ているような中小医療機関よりも、大病院の方を選択するかもしれない。これまでの厚生省の外総診推進策は維持できるのだろうか? 注目しておく必要がある。
※ 関 連: 医薬分業と外総診(その1〜5) 老人薬剤別途負担廃止と外総診
| タイトル一覧へ | ホームページに戻る | 掲 示 板mailto:BXJ05037@nifty.ne.jp |