医療行政トレンド解説 No.3 医療行政トレンド解説 No.3 (オンライン版)
1999/03/01 発行

前号(トレンド解説No.2)では、厚生省が示している「新たな病床区分」を紹介した。
また、それを踏まえ、とりわけ慢性期病床においては「生活モデル」の発想を持つべしとの提起を行った。今回は、急性期病床の必須条件とされる“平均在院日数”について述べてみたい。
平均在院日数とクリティカル・パス
――― 急性期病床と慢性期病床 part2

◎平均在院日数

前号でも触れたが、厚生省が示した「新たな病床区分」によると、急性期病床として認められるためには、入院患者数と看護要員との比率が2.5:1である必要がある(現在当院は3:1)。
で、2.5:1が認められるためには、現行では平均在院日数が28日以内である必要があるが、この条件が緩和されるとは思えない。

◎平均在院日数の計算式

平均在院日数は次の計算式で表される。

平均在院日数=(2×在院患者延数)÷(新入院数+退院数)

*当院の数字(98年1〜12月)を当てはめると、この間の平均在院日数は、

(2×20,738)÷(574+577)=36.0 日

*かりに毎日の入退院が各々2人、在院が常時60人とすると、1ヶ月の平均在院日数は、

2×(60×30)÷(60+60)=30.0 日

*同じく、毎日の入退院が各々2人、在院が常時50人とすると、

2×(50×30)÷(60+60)=25.0 日

*在院が常時60人で、平均在院日数を28日にするためには、

(2×30×60)÷(2×30×28)=2.14 人……1日あたり必要な入退院数

 となる。
 「平均在院日数28日」という世界がどんなものか、おおよそ分かって頂けただろうか?

◎クリティカル・パス

さて、平均在院日数短縮のための道具として、もっとも注目されているのが、クリティカル・パスである。クリティカル・パスとは、次のように定義されている。
「医療提供の過程を見やすく表示し、症例間・施設間での比較・参照を容易とすること、臨床研究の最新の知見や診療ガイドラインなどの参照を促すこと、診療の無用なばらつきをなくして診療の質を保証し向上させることを目的として、多職種におよぶ診療・療養の計画あるいは行為を網羅するため、療養の種別(検査、処置、患者家族の教育など)を示す縦軸と、時間(日、治療段階など)の横軸との2次元構造による図表形式に示したもの。」

と。文章で定義してもイメージしづらいだろう。ある病院における、実際のクリティカル・パスの例を示す。

(略)

つまりは、このように図表形式にし、医療行為の標準化を図る一方でその密度を高め、在院日数短縮をめざすと同時に、診療の質を確保しようという発想なのである。上記のように平均在院日数の短縮が叫ばれ、また、DRG−PPSと呼ばれる病名別の治療費定額支払方式(のちほど本連載にて解説予定)導入が検討されるなか、このクリティカル・パスのようなツール(道具)が非常な注目を浴びている。
当院でも、いずれ、こういったパス作成が必要となってくるだろう。


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