医療行政トレンド解説 No.9 医療行政トレンド解説 No.9 (オンライン版)
1999/09/01 発行

イラスト(寝たきり老人)介護保険と医療保険の役割分担 ── 介護保険(3)

◎入院(入所)サービス提供体制の見取り図

前号で3種類の施設サービス提供施設に関し、その入所対象者について整理した表を掲載した。今回、この表に医療部分を加え、医療-介護の入院(入所)サービス提供体制についての、大まかな見取り図を作ってみた。

施設類型適用保険給付の要件入院(入所)対象者
介護老人福祉施設介 護
*65才以上の場合
要介護認定を受けること

*40〜64才の場合
特定疾病(→別表)を原因とし、要介護認定を受けること
※要支援ではダメ
身体又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な要介護者
介護老人保健施設介 護病状が安定期にあり、入院治療をする必要はないが、リハビリテーションや看護、介護を要する要介護者
介護療養型医療施設
(介護保険適用型療養型病床群)
介 護病状が安定している長期療養患者のうち、カテーテル等を装着している等の常時医療管理が必要な要介護者
(密度の高い医学的管理や積極的なリハビリテーションを必要とする者を除く)
療養型病床群
(介護保険適用型療養型病床群)
医 療医療保険の被保険者であること病状が安定している長期療養患者のうち、
  • 密度の高い医学的管理や積極的なリハビリテーションを必要とする者
  • 40才未満の者。および40〜64才で特定疾病以外の者
  • その他(ex. 要介護度認定待ち患者)
一般病床医 療その他医師が入院を必要と認める者
(急性期の患者など)

《別表:特定疾病》
初老期の痴呆(アルツハイマー病、脳血管性痴呆 等)
脳血管疾患(脳出血、脳梗塞 等)
筋萎縮性側索硬化症
パーキンソン病
脊髄小脳変性症
シャイ・ドレーガー症候群
糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息 等)
10両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
11慢性関節リウマチ
12後縦靭帯骨化症
13脊柱管狭窄症
14骨折を伴う骨粗鬆症
15早老症(ウェルナー症候群 等)

◎介護保険適用施設における医療サービスは?

現在議論されている介護報酬案によると、介護保険における施設サービス提供施設の中でも、介護療養型医療施設に関しては、一部の医療行為について介護保険からの給付が想定されている。
この案によると、介護保険で支払われる予定なのは「長期療養に対応する日常的な医療行為」で、出来高で評価を行うこととなっている。

一方、入所者の病状が急変したような場合、原則としては急性期対応の病院などに転院することとなる。しかし、このような場合で、例外的に転院が困難であり、療養型病床で複雑な処置等が行われた場合はどうするか?
これも議論中であるが、こうした処置等については医療保険適応とする案も出されている。

以上のように、介護保険が始まると、各施設-病棟(一般病棟を含む)間で入院、入所、転院、転棟、保険適用(医療か介護か)等々をめぐって、かなり複雑な対応をしいられることが予想される。
われわれとしてもきっちり準備しなければならない。


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