介護保険と医療保険の役割分担 ── 介護保険(3)
◎入院(入所)サービス提供体制の見取り図
前号で3種類の施設サービス提供施設に関し、その入所対象者について整理した表を掲載した。今回、この表に医療部分を加え、医療-介護の入院(入所)サービス提供体制についての、大まかな見取り図を作ってみた。
| 施設類型 | 適用保険 | 給付の要件 | 入院(入所)対象者 |
|---|---|---|---|
| 介護老人福祉施設 | 介 護 |
| 身体又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な要介護者 |
| 介護老人保健施設 | 介 護 | 病状が安定期にあり、入院治療をする必要はないが、リハビリテーションや看護、介護を要する要介護者 | |
| 介護療養型医療施設 (介護保険適用型療養型病床群) | 介 護 | 病状が安定している長期療養患者のうち、カテーテル等を装着している等の常時医療管理が必要な要介護者 (密度の高い医学的管理や積極的なリハビリテーションを必要とする者を除く) | |
| 療養型病床群 (介護保険適用型療養型病床群) | 医 療 | 医療保険の被保険者であること | 病状が安定している長期療養患者のうち、
|
| 一般病床 | 医 療 | その他医師が入院を必要と認める者 (急性期の患者など) |
《別表:特定疾病》
1 初老期の痴呆(アルツハイマー病、脳血管性痴呆 等) 2 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞 等) 3 筋萎縮性側索硬化症 4 パーキンソン病 5 脊髄小脳変性症 6 シャイ・ドレーガー症候群 7 糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害 8 閉塞性動脈硬化症 9 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息 等) 10 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 11 慢性関節リウマチ 12 後縦靭帯骨化症 13 脊柱管狭窄症 14 骨折を伴う骨粗鬆症 15 早老症(ウェルナー症候群 等)
◎介護保険適用施設における医療サービスは?
現在議論されている介護報酬案によると、介護保険における施設サービス提供施設の中でも、介護療養型医療施設に関しては、一部の医療行為について介護保険からの給付が想定されている。
この案によると、介護保険で支払われる予定なのは「長期療養に対応する日常的な医療行為」で、出来高で評価を行うこととなっている。
一方、入所者の病状が急変したような場合、原則としては急性期対応の病院などに転院することとなる。しかし、このような場合で、例外的に転院が困難であり、療養型病床で複雑な処置等が行われた場合はどうするか?
これも議論中であるが、こうした処置等については医療保険適応とする案も出されている。
以上のように、介護保険が始まると、各施設-病棟(一般病棟を含む)間で入院、入所、転院、転棟、保険適用(医療か介護か)等々をめぐって、かなり複雑な対応をしいられることが予想される。
われわれとしてもきっちり準備しなければならない。
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