医療業界トレンド解説 No.4 医療業界トレンド解説 No.4 (オンライン版)
2000/03/25 発行

急性期特定病院

◎急性期特定病院とは

本年4月の診療報酬改訂において、「急性期特定病院」という類型が始めて登場した。これまで本トレンド解説シリーズで何度も述べてきた一大スローガンである「医療の質」のうち、「急性期入院医療の質」の向上を図るとの大義名分で点数化された、本診療報酬改訂における目玉のひとつである。

具体的には、要件に該当する病院においては、「急性期特定病院加算」として、患者1人に対し入院14日以内に限り入院料に200点が加算されるというもの。

◎急性期特定病院の要件

急性期特定病院の施設基準は概ね次のようになっている。

  1. 紹介率(=初診患者に占める紹介患者の割合)が30%以上
  2. 平均在院日数が20日以内であること
  3. 患者数の外来-入院比が1.5対1以下であること
  4. 救急病院であること
  5. 院内事故防止体制がとられていること
     ・院内事故防止委員会の定期開催
     ・「院内事故情報報告」の月1回程度の作成
  6. 詳細な入院診療計画(=クリティカル・パス)の作成
  7. 地域医療連携室の設置
  8. 全ての入院患者の退院時要約の記載
  9. ICD(=国際疾病分類コード)コーディング実施
  10. 疾病別患者数や手術件数などの診療実績の開示
もちろん、“並”の病院ですぐに取れるような点数ではない。では少数のエリート病院以外は関係ないのか?
否。ここに現れているのは、厚生省がイメージする急性期病院の一種の「理想像」であり、急性期でやっていこうとする病院にとっては、これはいわばゴールであり、「基準」なのだ。

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◎外形的評価から機能評価へ

もともと医療機関に対する点数評価は外形的評価が主だった。患者何人に対して看護婦が何人であるかとか、職員の頭数や部屋の広さだとかである。それが次第に機能の評価へと視点が拡がってきた。
(機能面の評価の典型は平均在院日数。この急性期特定病院の場合だと、平均在院日数に加え、病-診連携の指標である紹介率や、救急、事故防止、インフォームド・コンセントなど)

そしてそういった機能実現のための院内体制や手順もチェック項目となっている。
(院内事故防止委員会、クリティカル・パス、地域医療連携室、退院時要約……)

で、さらに注目すべきは 10.の診療実績開示である( 8.9. はそのための前提)。これは将来的には診療実績(転帰など治療成績に関わるものから医療費など医療経済的なものまで?)というアウトカムそのものに対する評価にまでつながっていくのかもしれない。

いずれにせよ、“そういう時代”なのである。 われわれとしても、1.〜10. のような事柄は“指標”として意識せざるを得ない。積極的にチャレンジしていくべきだろう。


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