揚 げ じ ゃ が の 熱 し サ ロ ベ ツ 夏 の 雨 | 望 楼 や サ ハ リ ン 隔 つ 夏 霞 |
草 笛 や 祷 り の 像 は 天 仰 ぎ |
韃 靼 の 風 に よ ろ ば う 夏 帽 子 |
二 タ 海 を 自 在 に 往 き 来 夏 の 海 猫 |
鵜 の 群 の あ ま た 柱 状 岩 の 壁 |
道 東 の 旅 や 雑 魚 寝 の 明 易 し |
存 問 の 海 は ま な す の 揺 れ て お り |
国 後 を 指 呼 に 望 ん で 夏 暖 簾 |
瞠 き て 薄 明 世 界 海 霧 の 中 |
北 の 大 地 |
御 山 洗 い 下 山 の 空 の 晴 れ 渡 り |
雲 海 は 無 音 の 怒 涛 佇 ち つ く す |
霊 峰 に 祈 り を 一 つ ケ ル ン 積 む |
御 来 迎 峰 の 朝 風 深 く 吸 い |
天 辺 へ 到 る 灯 の 列 星 月 夜 |
猿 酒 や 高 山 病 に 寝 ね が た く |
天 辺 の い ろ 濃 く な り ぬ 岩 ひ ば り |
滴 り や 杖 に 結 わ え し 鈴 の 音 |
夏 富 士 を 遮 二 無 二 登 る 耳 順 か な |
憧 れ の 峰 へ 踏 み 出 す 富 士 薊 |
富 士 登 拝 |
還暦記念になにがほしいかという話から、家人に富士山へつれて行ってもらうことになった。
以下は、その時のコースタイムである。
富士登拝 平成6年8月5日(金)〜6日(土)
5日(金)
5:54 富士スバルライン五合目2305m出発。土産店で金剛杖を買う。
千円。しばらく行くとなだらかな下り坂。登山者を乗せる馬が数頭
いる。オンタデとホタルブクロの花が多い。
6:10 泉ガ滝分岐。吉田口の標識を山側の道へ入る。
6:28 六合目雲海荘。安全指導センターの人がパンフレットを、一人一人
に渡してくださる。
6:50 ゆっくりゆっくり登る。外国人の観光客らしい登山者がやたらと多
い。ガスが出て涼しくなり、吐く息が白くなる。
7:37 七合目、18℃
7:53 七合目出発。各山小屋では、金剛杖に記念の刻印を200円で入れ
ている。岩の間に咲いている白い花はミヤマオトコヨモギ。
8:03 本七合目。
8:12 七合目救護所。
9:32 八合目太子館。3100m、16℃。岩雲雀のかわいい鳴き声を聞
いた。人のいるところが好きらしい。
9:49 八合目太子館出発。やや傾斜がゆるやかな道になる。高山病の症状
が出たのか、道の端で休んでいる人が所々にいる。
11:20 富士山ホテル。3400m、18℃
11:52 八合五勺・県境来光館3450mに着。着いた途端、ザーッと大粒
の雨。途中で降られなくて助かった。
夕食まで休憩。場所が確保でき、トンと横になつた途端、ズキーッときた。高山病?
頭痛がひどい。小さな布団一枚に三人。おまけに暑くて寝苦しい。小屋には一晩中、
人の出入りがある。この時期の富士山には夜はないらしい。
山小屋は一泊二食付きで7000円。飲食物の値段。水1g・ビール・ワンカップ酒
・カップヌードル600円。甘酒・しるこ・おでん・味噌汁・ホットコーヒーなどは、
500円。フイルム1000円。酸素1500円。ラーメン・うどん700円。ジュ
ース300円。ポカリ・リポビタン・コーンスーブ400円。大体この程度の値段だ
だが、高山だけにお値段の方も高い。
6日(土)
2:00 起床
2:20 御来光館出発。大勢の人で列ができ、二・三歩登ると止まったりし
てなかなか進まない。上を見ても下を見ても懐中電灯の光がジグザ
グに切れ目なく続いていて美しい。まさしく地上の星だ。
4:05 頂上。久須志神社。10℃ じっとしていると寒くて震える。金剛
杖に最後の刻印をしてもらって完成。歓声をあげる。300円。
4:50 日の出。荘厳な御来光に一瞬息をのみ歓声をあげて万歳三唱。
5:36 浅間社奥宮の隣にある山頂郵便局に暑中見舞を投函。(届いたのは
徳島で、5日後の11日だった。
6:08 剣ガ峰 測候所の横に日本最高峰3776mの標識がある。もうこ
れ以上高い所に立つことはないと思うと感激。
6:15 剣ガ峰出発。しばらく歩くと影富士が見えた。天気もよく360度
のパノラマを楽しみながら歩く。
6:55 山口屋の前。数多くある山小屋の前は大勢の人で賑わっている。聞
いていたとおりの富士山銀座だった。
7:06 須走口下山。火山礫の道は、前夜降った雨のおかげで砂ぼこりも立
たず、ザクザクと音をたてて快調に下山。
7:17 八合目江戸屋。登山道と下山道の合流点。
9:50 六合目雲海荘。
10:35 最後に観光馬車に乗って駐車場へ到着。
この富士登拝は、天候に恵まれ、御来光も拝むことができ最高であった。苦しかったけれ
ど、心に残る還暦記念となった。刻印の杖は今、私の宝物の一つになっている。
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