よう!ジュリちゃん |
Hey Jude
2020年は東京でオリンピックが開催されますね。
前回は2012年、イギリスのロンドンオリンピックでした。
開会式当日朝、ポールマッカートニーのHey Judeを運よく見ることができました。
音声が悪かったのがほんとに残念でしたが。
ポール。。。おじいちゃんになってしまいました。あどけない口元は ほほの垂れた老人の口元に。。
あのビートルズでさえ老いには勝てぬのか、と昔を思い出し感慨深い開幕式でした。
生徒たち若い世代はビートルズ(Beatles)をあまりよく知らないと思うので、簡単に紹介します。
イギリス出身の4人組ロックバンドで世界一有名なミュージシャンです。曲、ファッション、考え方などたくさんのことを今の世界中の音楽に携わる人たちに影響を与えました。とにかくすごすぎる。こんなミュージシャンは今後100年間は出てこないでしょう。そんな音楽グループです。
1962年にデビューし、1970年解散。
リーダーはジョンレノン。ポールマッカートニー、ジョージハリスン、リンゴスター
ジョンとポールは高校生からの友達です。ビートルズのコンサートでは若い女性がバタバタと失神して救急車が出動するという怪現象がおこりました。
若かりし頃の映像→Hey Jude 動画
→ ロンドンオリンピック開会式の映像
開会式でポールが歌詞を間違ったのを発見!
4小節目、 Hey, Jude, don't let me down. のところのletをmakeと言っています。Hey, Jude, don't
make me downと。
ジョンが生きていたら隣で眉を上げながら "Facking hell !!"と言ってポールを笑わせたんだろうなあ。若いときの映像のように。
ジョンもジョージも今はもういないんだと思うと目頭が熱くなります。
さて、Hey Jude ですが、今更ながら改めて歌詞をじっくり読んでみると、難解です。中学生のとき歌詞カードを見て意味がわからなかったはずです。
何が難しいかというと、聞き手によっていろんな意味にとることができる表現を多用しているのでひとつの日本語に置き換えることが難しいのです。
今日はじっくりとこの曲について自分なりの見解を書きたいと思います。
まず、Jude(ジュード)とはジョンレノンの前妻との息子ジュリアンの愛称で、ポールはジュリアンをとてもかわいがっていて、いつもHey, Jule(ジュール)と呼んでいたそうです。
この曲の作詞、作曲はポールマッカートニーです。
曲のタイトルは、Juleより音の感じが良いからJudeに変えたとポールは言っています。(なんか変ですよね、この件は後で)
ジョンが前妻と離婚してオノ ヨーコといっしょになるというとき、当時5才ぐらいのジュリアンが落ち込んでいるのを見て励ますためにこの歌を作ったとポールは言っています。
この歌詞はit(それ)やher(彼女)などをいろんな意味に受け取ることができるので、麻薬を指しているだの、イスラエルのユダヤ人のことだの、いろんな解釈、推測がされています。Judeがユダヤ人という意味をもつ言葉なのでからイスラエルが連想されるのは当然のことでしょう。
また、この歌はJudeはジュリアンじゃなくて、自分のことだと思っていたとジョンレノンは後に語っています。メンバーでさえ勘違いするぐらいだから、この歌はなんとでも解釈できるということです。
確かに、ジュードをジョンに置き換えると、herはオノヨーコとすると、彼女との再婚問題、離婚や子供の問題でジョンが悩んでいたこと、麻薬におぼれていたジョンのことを考えると意味が通るし、麻薬を連想させる単語がたくさん出てくることもしっくりときます。
ポールはジュリアンのことをJuleと呼んでましたがJude(ジュード)とは呼んでいません。Judeのほうが音の感じがいいなんて、そんなことないですよね。Hey
Juleの方がいいとだれも感じると思います。
Judeとは男性人名で、聖書に出てくる聖ユダのことです。ユダヤ人という意味もあります。ユダヤを連想させたいためにあえてJuleをJudeに変えたのでしょう。
Hey! Jude. てふつうに言うと「おい!ユダヤ人」という差別的な表現になり、アメリカでうっかり言うと命を狙われることになりかねません。
当時の背景として、ユダヤ人の国イスラエルの戦争、ベトナム戦争、反戦、ビートルズのメンバーが麻薬におぼれていた、ということがあります。
結論として、"Hey Jude"はポール自身が言っているようにジュリアンを励ます詩に間違いないですが、それだけの詩ではなく、意図的に、ユダヤ人、反戦、麻薬を連想させる言葉を選んでいろんな解釈ができるように歌詞を書いたと思われます。詩てそんなものだから。
↓Hey Judeが入っているCDアルバム
では、1行ずつ意味を解説していきます。
ドイツ語の原文を読んだときにはぶっ飛びました。世界が変わったような衝撃を受け
知っておかないといけない当時の背景として、
当時の若者たちは政府、大人に反発し、お前らの言いなりにはならないぞ、俺たちは自由なんだ。と髪を長く伸ばし、頭にバンダナをまいたヒッピーと呼ばれる若者がたくさんいて、それが、新しい、かっこいいと感じる時代でした。
男は髪を短くするという常識への反発が長髪ということだったのでしょう。
バンダナを巻いて本来作業着のジーンズを着てテント暮らしをすることがきれいなスーツを着て会社勤めをするという常識への反発だったのでしょう。
ヒッピーたちは男だけでなく、女もいっしょに集団でテント暮らしをして、今でいうホームレスのような暮らしを楽しんでいました。大人たちが眉をひそめるようなことをするのがかえって快感だったのでしょうね。
マリファナ(麻薬)を吸い、反戦運動もしていました。何をするのも俺たちの自由なんだと。
日本でもこの時代は学生運動が盛んな時期で、大学生たちがヘルメットと角棒をもって大学にたてこもり警察と戦うような時代でした。思想の違いによってヘルメットの色が違っていて赤ヘル、黒ヘル、白ヘルと呼ばれていました。
ビートルズのメンバーもだんだんと髪を長く伸ばし、ひげを伸ばし、ヒッピーのような格好に変わっていきます。ましてミュージシャンだから麻薬なんて当たり前という風潮だったのです。
彼らは優等生ではありません。もともとは音楽好きの悪ガキたちが集まってバンドを作っただけで、それがたまたま天才だったというだけなのです。
今までの常識、わくにはまらない自由気ままで、自分勝手な言動は世界の若者たちに影響をあたえました。今でこそ世の中は悪ガキばかりですが、元祖悪ガキといったところでしょうか。
でも今の悪ガキたちとはかなり質がちがいます。アメリカのヒッピーも学生運動していた日本の大学生たちも世の中のこと、政治のことに自分なりの考えをしっかり持っていて政府に反発していました。同じ警察のお世話になるにしても、今そこらにいる悪ガキたちとは全然レベルがちがいます。
ジョンレノンはビートルズ解散後、反戦運動に傾倒していき、アメリカ政府からにらまれる要注意人物とされました。政府から監視を受けるやつ=悪いやつ?なんでしょうか。
何事も表面のことやレッテルだけを見ずに本質を見る目を持たないといけません。ジョンのやっていたことは戦争やめようと音楽を通じて運動していただけなんです。それがベトナム戦争など他国の戦争に介入して戦争をやりたかったアメリカ政府にとっては目の上のたんこぶだった、というだけのことだったのです。
なんだ、いいやつじょん。いや、いいやつじゃん。
ここで、若かりし頃の映像をもう一度ご覧下さい。→Hey Jude 動画
TVの音楽番組の映像ですが、本番始める前、いたずら好きのジョンが司会者が始められなくて困らせてるのは笑ってしまいます。リンゴとジョージは毎度のことだよと、ちょっとやる気のないふうでジョンのいたずらにつきあっている。のひょひょんとした性格のリンゴがやる気のないっぽい顔をしているくせにしっかりとジョンにつきあってドラムをたたいている。ジョージはやる気ないけどやることはやるよとジョンにつきあっている。ポールはハイハイ、やってろよ。て感じでしょうか。4人の性格がよくあらわれていておかしいね。
さて、ポールはピアノを演奏中に左前にいるジョンを何度もチラチラ見ているのですが
ここのthen you can start toあたりでいたずら好きのジョンが Faking hellと眉をつり上げて言っているのが見て取れます。
ジョンは笑かせてポールの歌を邪魔してるのでしょうか。それとも直前でピアノが少し変になったからでしょうか、You have found herの出だしが少し遅れたからでしょうか。
そしてポールは笑ってしまい声が少し笑い声になるのが聴き取れます。
ついでにLet it be もいっちゃえ!→レットイットビー動画
・・・・Let it beを聞くといつも鳥肌が立ち、目がウルウルなってしまいます。メガネをかけたジョンの隣にいる日本人が奥さんのオノヨーコさんです。
最後の長いna na naの繰り返しの中でポールは ジュリ ジューリ ジュレ ジュレ ジュレ ジュレ と叫んでいる。
その後ではジュル ジュルと言っているようだがはっきり聞き取れない。
だがロンドンオリンピックの映像では最後の方でジュリ ジュリ ジュリと叫んでいるのがはっきり聞き取れる。
イギリス英語だからだろうがhやtの発音をきっちりするから聴き取りやすい。アメリカ人ならget herはゲラーと発音するだろうがゲット ハーとちゃんと聴き取れる。
曲の出だしで、ポールは童顔の甘いマスクで ヘーーーイ、ジューード とやさしく、ゆっくりと、語りかけるように歌い出す。
んーーすばらしい。
詩の内容と、曲調に対して最後の繰り返し、ポールの叫びは少し違和感を感じるが、herを文字通り彼女、恋人と素直にうけとれば恋に悩む若者へのメッセージだし、今世界的に不況に陥り、特に欧州ユーロ圏ではたいへんなことになっていることを考えれば、状況は必ずよくなるさ、みんながんばろう!というメッセージと受けとめよう。
ロンドンオリンピックの開幕式にふさわしい曲ではないでしょうか。
浜辺の歌 で書きましたが、詩や文学は自分なりに意味をとっていいんです。
最近は著作権の問題で、国語の教科書や問題集、入学試験の問題に作家が自分の作品を載せるのを拒否(きょひ)することが多くなりました。
これは作品を先生が一方的に決めた一つ解釈に決められてしまうのが嫌だからです。
作家は、作家がどんな気持ちや考えでこの文を書いたのだ、ということではなくて、読んだ人に自由に受けとめてもらいたいと思っているのです。
解釈は人それぞれ百通りあってほしいと望んでいるのです。
だから、浜辺の歌もこのHey judeもそうですが、これはこういう意味だ、と決め打ちするのはよくない。
ただ、基本的な読解力や知識が備わっていないととんでもないでたらめな解釈をしてしまうことになってしまいます。また正しい方向にイメージをふくらませることもできません。
だから今、問題集を解いて読解力の基礎を勉強しているのです。国語の基礎力がつけば、あとは自由奔放にイメージをふくらせて妄想して楽しむことができます。これからの人生の幅がぐんと広がることでしょう。
ただ、ひとつ言っておきます。
ほんとうに作品を理解しようとしたら、何度も何度も繰り返し読み、暗記して、しばらく時をおいて寝かせておいてからまた新たな気持ちで読んで考えて声に出して読んで、、て、しないと理解できるものではありません。
国語の問題を解くときに1回しか読んでないのに答えを書いても×になるのは当然です。何度も繰り返し読みなさい。そうすれば日本人なんだからだれでも日本語は理解できるはず。
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Good Night!
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