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ビートルズ歌詞意味
ポールに思いをめぐらせて その2
 主のおぼしめしのままに・・・

 Let it be   レットイットビー動画

レットイットビー動画
Hey Judeもそうでしたが、この曲Let it beもまた自分の現在の立場に応じて何とでも解釈できる詩になっています。でもHey Judeのように裏の意味はないので日本語訳は言葉を絞りやすいです。
さて、
今回もまた、この曲の作詞作曲ポールマッカートニー(ビートルズ)がどんな思いで詩を書いたのか、いや、この詩の中にポールのどんな心の叫びが込められているのかを探ってみたいと思います。
そのあとで、各自が自分なりの解釈をして受けとめればよいと思います。
この詩の主題は大まかに言うと、悩みを抱えている人たちへの癒し(いやし)の歌です。

Let it beの入っているCD↓



背景
この曲Let it beができたのはビートルズ解散まじかのころです。
ジョンの言葉を借りると、ビートルズはアルバムを重ねるたびに常に今までにない音楽、手法を生み出しどんどん進化していきました。
このころになると次はどんな新しいことをやるのか行き詰っていました。
またメンバー同士での音楽の意見の食い違いが大きくなり、けんかになることもあったようです。
さらに彼らが作ったレコード会社アップルレコードの経営状態も悪くなり、今まで発表してきた曲の著作権の問題(利益分配)、個性の強い4人をバラバラにならないようにうまくまとめてきたマネージャーの死去。
たくさんのことが重なり、メンバーたちはギクシャクし、ビートルズを解散するか悩んでいた時期です。最初はジョージが抜けるといって飛び出し、次はジョンが抜けてヨーコと新しいバンドを始めたいと言いだし、ポールも独立したいと思い悩んでいました。


・・・・・(略)

さあ、ここで難しい言葉 Let it be が出てきました。この曲のタイトルですね。
「なすがままに」とよく訳されていますが、先生が中学生のときには何でやねん?キュウリじゃいかんのかい!て感じで、さっぱり意味がわかりませんでした。今でこそビートルズは教科書にものるようになりましたが、当時は年配の人たちからは不良グループのように思われていましたから詳しく説明してくれるものがありませんでした。

 Let はHey Judeでできてましたね。
使役動詞で 〜させる。let +目的語+動詞の原形 の形をとります。
 it それ。  beは be動詞の原形で、ある、いる、存在する、その状態のままでいる。という意味です。

 Hey Judeでは使役動詞 make も出てきましたね。makeとletの違いは、
makeは相手の意志に関係なく、無理やり何かをさせる、という感じ、
letは相手が望むならさせる、行動を許可する、という感じを持っています。

例文 
My father
made me go to Juku. お父さんは私を無理やり塾に行かせた
My father
let me go to the concert. お父さんは私をコンサートに行かせてくれた(私が行きたいというので行くのを許可してくれた)

では、Let it beの直訳は、それをそのままの状態にしておきなさい。
さっぱり意味がわかりませんね。
主語がありませんから命令文です。itて何?

ここで知っておかないといけない背景があります。

西洋人はキリスト教に熱心なので聖書の内容をよく知っていると前にも書きましたね。聖書を知っていないとシェークスピアもゲーテのファウストも100分の1も理解できません。それほど聖書は西洋の文化に根付いているのです。

 Let it beという言いまわしは実は聖書の中にも出てきます。
天使がマリアのもとにやってきて、神の子キリストをマリアに受胎させる(妊娠させる)ことを告げる、受胎告知をする場面で出てきます。

これはキリスト教ではとても有名な場面なので西洋人が知らないわけがありません。なので、Mother Maryはポールの母ではなくて聖母マリアのことだと言われなくてもわかっているのです。

天使:For w
ith God nothing will be impossible.
     神にとって不可能なことは何もないのですから
(このFor 前置詞で始まる文はLet it beの曲の中でも出てきます)
マリア:L
et it be to me according to your word.
      あなた(天使)の言葉どおりにそれをなさせてください。
そして天使は去っていきます。

itそれ、とはキリストの受胎を指しています。
あなたがおっしゃるように、私でよければ私の体にキリストを宿させてください。

命令文ですが、主語にはGod(神)があります。神がこの世の世界に神の息子キリストを派遣するため、人間の体を借りる必要があったためにマリアの体を借りてキリストを受胎させる。というシーンです。

マリアの言ったこの言葉は
Mother Mary comes
to me speaking words of wisdom
と似た言いまわしですよね。

ポールがこの詩を書いたとき聖書の一節が頭にあったことが推測できます。

さて、もとにもどります。こいうことから考えるとこの詩のLet it beの意味は、
なすがままにしなさい。なのですが、努力したり悩んだりするをやめて何もしないでおきなさい、という意味ではありません。
自分の信じる道を悩まず突き進み、その結果どうなるかは神の意志にまかせなさい。という意味を持っていると思います。

Let it beを口にするとき頭上に神がいることを忘れてはいけません。

したがって日本語訳は

「神の御心(みこころ)のままに事のなりゆきをゆだねなさい。」とします。
もっと言葉を短くすると、
「主の思召す(おぼしめす)ままに。」

 it は前に述べたようにポールがかかえていたすべての悩みを指すのでしょう。
では改めて日本語に置き換えてみましょう。



*アルバムのリリース順では、アビーロード、レットイットビーの順ですが、実際の製作日時の順はレットイットビー、アビーロードの順です。制作時とリリースが逆になったことから、この時期いかにごたごたしていたかがわかります。
Let it beの言葉どおりポールは主の思召すまま身をまかし、最後のアルバムアビーロードの完成後、ビートルズを離れてソロアルバムを出します。これでビートルズ解散が決定づけられました。
この後も裁判が続きごたごたが続きます。
ジョージハリスンは生臭いこの世のごたごたに嫌気がさしたのかインドに渡りインド音楽と宗教に没頭していきます。
ジョンはヨーコといっしょにLove & Peaceをかかげ反戦運動に没頭していきます。ポールは新しい奥さんといっしょにウイングスというバンドを作り活動を始めます。
ビートルズの曲の大半はジョンとポールが書いています。詩はジョンが曲はポールが、が多いですが逆もあり、後の2人の話では曲は2人で共同作業で作ったものも多いそうです。
今でもそうですが、解散後しばらくしてもビートルズ再結成の希望ともいえる噂が絶えませんでした。
今ビートルズが解散していなかったらどんな曲を作っていたかという問いに対して、ポールの今の曲がビートルズに最も近いだろう。とポールかジョンかどっちか忘れましたが言っていました。
でも、ファンは知っています。4人そろわないとビートルズのサウンドにならないんだと。ビートルではだめなんだと。
とんかつは、とんかつと和からしとキャベツとご飯がそろっておいしいとんかつなのであり、とんかつだけでは似て非なるもの、がごとしです。
世界中のファンはずっと、たぶん今でもビートルズ再結成を待ち望んでいます。
ですが、ジョンが不幸な事件で殺され、ジョージは病気で亡くなり、ポールはろれつの回らないじいちゃんになり、再結成の夢は日を追うことに絶望的になっています。唯一、ポール、リンゴ、そして、ジョンの息子、ジョージの息子で新ビートルズ結成 という苦肉の策のようなはかない夢をファンは抱いています。
ロンドンオリンピックの開会式でこの新ビートルズが結成されるのでは?といううわさが流れ、世界中の多くの人たちは熱い期待をもって開会式を心待ちにしていました。    ご存知のように結局その夢は実りませんでしたが。

 レットイットビー動画

 
では続き
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 レットイットビー動画
中学生、高校生のみなさん、この詩を暗唱してはどうですか。絶対おすすめします。え?こんな長いの覚えられない!て?
すぐ覚えられますよ。動画と歌詞を見ながら10回ぐらい声を出して歌いましょう。3日ぐらい歌えば自然に頭に入りますよ。
詩を暗唱すれば詩の意味が英語→日本語→脳 ではくてダイレクトに、英語→心 へ伝わるようになります。
日本語で考えなくても外人のように英語からそのまま意味が分かるようになります。 ぜひ!トライ。
ピアノが弾ける人はポールのように弾き語りすればかっこいい!


最初は動画を見て、ポールの口もとを注意深く見てください。
口の開き方を見て、発音を確認してまねしましょう。

英語にはアの音でも大きく口を開いたア、口をあまり開かないア、口を横に引いてアとエの中間のようなア があります。ポールの口元を見ていたらわかります。
リスニングの力を上げるには英語をたくさん聞けばいいと思っていると思いますが、それではなかなか上達しません。
これはけっこう知らない人が多いので教えてあげます。
リスニング力をつけるには自分で声をだして発音するのがすごく効果的です。カタカナ英語でなく、レリビーと外人の発音そっくりにまねて何度も言ってみる。すると団子になって聞こえていた英語の音がひとつひとつ明瞭に聞こえるようになってきます。

ついでに発音についてもう少し書きます。

速く言うとき、英語の母音(アイウエオの音)と子音(母音以外の音)をくっつけて言います。音の連結といいますが、例えば、
an apple アン アップルは、a napple ア ナップル
How are you? ハウ アー ユーは Ho ware youハワユー
make it メイク イッツはメイキッツとなります。
またandのアのように口をあまり開けずに発音するアは省略されることもあります。子音は言わなくてもいい。
アンドをエン といったり、ン だけだったり。
Love and peaceラブ アンド ピースは ラブん ピース 
bread and butterブレッド アンド バターはブレッドゥん バラー
となります。

Tの発音は早く言うとラリルレロの音に似た跳ねた音になります。
get herはゲッラー   get upはゲラップ  that isはザ リズ
What are you doing? ワッツ アー ユー ドゥ―イングは
ワラユー ドゥーイング 
Let it be レッツ イッツ ビーは レリッビーとなります。
レリッ で一瞬間をおいてから ビー と言うとうまく言えます。

好きな映画の中で気に入った表現を1フレーズでいいから俳優の物まねをして何度も言ってみるのです。すると他の英語も1つ1つの音が不思議とよく聞こえてきます。


以上
See you!

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