平成19年度第1回研究会報告 

講演内容 「香川の食文化」 妹尾共子氏
妹尾氏の3部作「客たち」、「荘たち」、「美たち」のうちから郷土を飾っている食材について書かれた「荘たち」について泉のごとく湧き出る知識をまろやかな声で熱心に語って下さった。まず意表をつかれたのは前述の3部作が「まろうどたち」、「かざりたち」、「うるわしたち」とよむことであった。古典の物語を思わせるタイトルにわくわくしていたら、古事記にイザナギ・イザナミの神様が国産みした時讃岐をイイヨリヒコ(飯依比古)と令名されているとおり讃岐のうまい物の筆頭に米があげられると聞かされて目から鱗の思いがした。古来、讃岐の山田米はすし飯として定評があったということをかわきりに讃岐の自然の地形に則した栽培方法で作られた野菜についてその地方で、その地域で、その季節での食べ方について説明があった。
 香東川の川筋が育んだ大野豆と郷東ネギ、どじょう汁のにおい消しに使われた薫り高い安原牛蒡、香南町の千疋松茸。甘くて柔らかい金毘羅タケノコ、松葉独活(アスパラガス)、玉葱、レタスは全国でも有名な産地となっている。
魚類については、安戸池で養殖されるハマチ、塩田跡地で養殖される車エビは「捕る魚から作る魚」に漁業の改革の先駆となった。鯛の浜焼き、サワラの刺身、サワラの押し抜きずし、出汁の味がよい伊吹の天日干しの煮干し、上品な味に湯がかれた津田のちりめんじゃこ、清流をさかのぼった塩江のアメゴなどなど海の幸も豊富である。
 春鰆が出回る季節になると嫁の実家はさわらのえらに南天をさして嫁に持ち帰らせる。姑は鰆の頭を軒下につるして嫁の実家自慢をし、さばいた片身を押しずしにして重箱に詰めて実家に持ち帰らせる。このように食が讃岐の文化にまで深く関わっている。
 讃岐三白である砂糖、塩、綿は江戸時代から讃岐藩の財政を支えていた。松平5代藩主頼恭の時代に侍医向山周慶が薩摩藩の良助から砂糖の製法を学び8代目の藩主の時代から広く栽培を普及するようになった。東讃の地図を作製した久米栄左右衛門は塩田の計画書を上申して自費で塩田の開発をした。
 ハレ食であるうどんは金子前香川県知事が「早い、安い、うまい」をうたい文句にそして大平前総理が知名度を上げる要素を作り今や全国ブランドに育った香川・荘のうまいもんとなっている。
香川の郷土料理について
 報告 白川恵美子氏、犬飼直美氏
 季節ごとに、そしてさまざまな行事のおりに作られて暮らしの節目を彩ってきた郷土料理が今の私たちの暮らしの中にいかほど残っているのか。郷土料理を次世代へ引き継いでいくための参考資料として成人100人、高校生100人にアンケートを実施した。
@郷土料理を知っているか 
Aよく知っている郷土料理や行事食
B郷土料理や行事食に関する関心
Cあなたの家では郷土料理や行事食を食べるか
D行事食 
  正月(雑煮、数の子、たづくり、黒豆、煮しめ、きんとん)、
  七日節句(七草雑炊、七草がゆ)、鏡開き(ぜんざい)
  小正月(あづきがゆ)、節分(鰯料理、炒り豆)、旧正月(餅、餅花)、
  ひな節句(すし、はまぐり吸い物、白酒、あられ、菱餅)
  春の彼岸(よもぎ餅、ぼたもち、すし、だんご)、
  端午の節句(かしわもち、ちまき、すし、おちらし)
  麦刈り前(鰆料理、ちさもみ)、半夏(うどん、はげだんご)、
  七夕(そうめん、すし、だんご)
  土用(うなぎ、塩あん餅)、(そうめん、だんご、あづき飯、うどん、
     揚げもん)、
  八朔(だんご馬、すし)
  秋の彼岸(おはぎ、だんご、すし)、祭り(あまざけ、すし、揚げもん、
  おこわ、てっぱい)
  冬至(カボチャ料理、だいこん飯、そば、うどん)、
  大晦日(うどん、そば)
このアンケートの結果報告は「香川の食」第4号に詳細記載

機関誌「香川の食」には興味深い内容が盛り沢山載っています。
郷土料理に拘わらずジュヌヴィエーブ料理教室・料理研究家 山中美紀子氏の投稿やベトナム料理についての随想などなど会報の内容は充実しています。購入も可能です。

平成19年度第2回研究会 H19.7.20 実施
 会場 香川県農業試験場満濃分室 (香川県仲多度郡満濃町炭所西2253−1)
 講師 香川県農業大学校講師 片岡文雄 氏 

 曇り空にほんのりとかかる霧が深山を思わせ、前日の雨で木々が十分に水分を蓄えて山は生気ををおびていた。満濃池の南東に位置して土器川の上流を川沿いに車を走らせ、 「香川県農業試験場満濃分室」という標識を見失うと辿り着けないほどひっそりとした所である。山道を登ると一気に視界が開け、広々とした茶畑が整然と並んでいる。遠望出来る山々がまるで茶畑を守っているような風景だった。
 片岡先生の茶についての奥深い講義の後、施設を見学して茶葉の加工工程、機器の説明を受けた。
その後茶摘み体験をした。茶畑は腰の高さほどで露を含み薄緑の新芽を出して4,5枚の若葉を着けていた。茶畑に林立する電柱に扇風機が取り付けられていたのが異様な風景であったが、「茶の木」は霜に弱いので霜よけ対策に設置しているようだ。
1時前に終了して満濃池の土手にある「かりん亭」で昼食を摂った。男性方は「やーこんうどん」だけを注文、女性陣は逞しく「やーこんうどん」はもちろん「やーこんコロッケ」「やーこんジュース」を堪能した。この日、店にある残り9配分の「やーこんジュース」を我らが飲みほした。
 

片岡先生の講義概要

香川県の茶業の歴史
昭和35年以降は茶価の低迷とみかんブームで栽培が減少。優良品種の苗木で高瀬町、大野原町、塩江町、満濃町西植田 町での栽培が増加した
昭和40年から50年前半は産地面積の拡大、技術指導の充実、機器の導入、加工施設の近代化などにより生産の安定と品質の向上を図った。
昭和50年後半から昭和末期は苦難の時代だった。各種飲料の普及と食生活の変化にともなって消費量が減退、さらに晩霜のひがいの続出によって栽培 意欲にかげりが出だした。防霜ファンの設置、土の改良、一番茶摘み法など 生産向上の努力をした。
平成初期から現在
「茶産地再編整備5カ年計画」により需要の動向に即した生産体制が進められた。生産性、耐病性に優れた「めいりょう」へ改植。高級志向への対応、作業の合理化、荒茶加工施設導入により品質の安定供給に取り組んでいる。また消費者の掘り起こしとして栗林公園新茶まつり、高瀬町の新茶まつりを行っている。
香川県の茶生産状況
昭和28年の増殖5カ年計画により面積拡大期。昭和49年にさらに拡大しかし51年をピークに減少している。全国の0.4%で全国22位。植えてから採取出来るまでに時間がかかる。
生産量は58年にピーク。以降減少傾向全国23位。
1番茶49%、2番茶24%、3番茶27%
産地 高瀬53%、仲多度郡南部26%、高松市南部12%、塩江3%、その他3%
4月20日から初摘み、5月下旬に1番茶終了。高松市南部は3番茶まで、塩江は2番茶まで、高瀬と仲多度郡南部は秋冬茶まで摘む。
加工、流通
消費者の高級志向に対応するため高能率、施設の高度化、自動化を図り高瀬茶業組合、農協仲多度営農センター、高松南部農協で共同加工を行っている。
香川茶の販路拡大のため56年から荒茶が集荷されている静岡へ出荷している。香川県農協が開発したペットボトル茶、篤農家や高瀬組合の独自商品の開発により地産産直販売も好調である。
その他茶の効能等々
茶にまつわる諺

  お茶の作り方

フライパンを使って日本茶を作りましょう(資料提供 香川県農業試験場満濃分室 主任研究員 原井則之氏)

1蒸す
摘んだ直後のお茶の葉 レンシレンジで蒸す 蒸した後の乾燥
摘んだお茶の葉を「せいろ」あるいは蒸し器で蒸す。少量ずつ数回に分けて蒸すのがコツです。「せいろ」にお茶の葉を広げ、よく沸騰している蒸し器に乗せて蓋をして50秒待ちます。
蒸し上がったところで、長い箸でかき回してみて、青臭みがなくなり、箸に葉がからみつくようになったら「せいろ」から取り出す。
蒸した葉は、平たい竹ざるに移して団扇であおいで冷まします。
できるだけ短時間のうちにお茶の葉の水分を発散させます。
2炒る
油気や他の臭いがしないフライパンを火にかける。火は弱火にして表面温度を100度程度に調節する。
木のしゃもじと片方の手を使って、茶の葉をまんべんなくかき混ぜ、10間ほど乾かす。
フライパンの上に和紙を敷くと水分が吸収されやすく、金属の臭い移りしにくい。
このとき、お茶の温度を体温と々くらいに乾かすことが大切である。
これが、緑色を保ち煎茶独特の芳香を作り出すポイントだ。熱くなるようならば時々火から下ろして乾かす。
茶葉の表面が乾いたら、手で揉み、葉の中の水分を出して乾かすことを4,5回繰り返す
3揉む
まな板の上で押さえて水分を揉み出す。
乾燥が進むにつれて力強く揉み、茶葉の重量が半分位に乾いたとき、最大の力と十分な時間をかけて揉み込む。このとき、茎の水分を完全に揉み出す。
ここで、お茶の旨みとコク味が濃厚になるので、力をかけて揉む。
その後は、乾くに従って揉む力を弱くする。
4仕上げ乾燥
茶葉の重さが3分の1ぐらいまで乾いたところで、フライパンの上に和紙を敷き、その上でゆっくり乾燥し、時々火から下ろして、両手で茶葉を揉み水気を表面に揉み出す。このとき、お茶の形が細長くなる。
乾燥が進み、茶葉が硬くなってきたところで、火を弱めて静置くし、完全に乾燥するのを待つ。ときどき、茶葉を上下に反転させて焦げないように注意する。
茶葉を指で押しつぶしてみて粉になるようならば乾燥は終わる。
最後に数分間火を強めると、お茶の芳香が引き立ち渋みが和らぐ。
乾燥が終わったお茶は冷ましてから密封容器または茶袋に入れて冷蔵庫で保管する
出来上がりの乾燥状況によっては、電子レンジに1〜3分かけてもよい。
中国から導入されたお茶について(片岡文雄氏資料提供)
お茶は僧最澄が中国から導入した。1191年栄西禅師が宋より種子を持ち帰り、これを蒔いて広めた。
栄西禅師は茶祖と言われている。
栄西禅師が広く茶の飲用を説いた「喫茶養生記」(初版本は重要文化財指定)には
「茶は養生の仙薬なり、延命の妙術なり・・・・五臓の中では心臓を主とするが、心臓を健やかにするのは茶を喫うこれ妙術なり・・・・もし、人は五臓不調にして、心神快くないときは必ず茶を喫へ・・・心臓を調え、万病を除き、癒さん」
「茶」の強心作用を中心に茶の効用を説き、人々の健康維持や生気の回復に、茶は高貴薬であると説いている。


平成19年度第3回研究会報告19.9.1実施
 場所 香川県魚市場(高松市瀬戸内町)
 講師 香川県魚市場社長 山本啓一氏

 香川県では熱帯夜が2ヶ月余り続いて寝苦しく慢性の睡眠不足に陥っていたが、9月に入る数日前から朝方に渡る風は心地よくなり、深い眠りに誘ってくれる。
 早朝6時集合。体内時計はまだ夢の時間帯。厚い灰色の雲の裂け目から朝日の鈍い光が筋状に降り注ぐ中をよろよろと自転車で魚市場に行く。
構内には近隣の漁港から来た車が何台も集結しており、なお守衛に誘導された車が勢いよく入ってくる。働いている人たちには気迫が漲っている。私はきっぱりと目覚めて隣にいた人に「ここで働く人たちは何時に起きるのでしょうね」と間の抜けた質問をした。ここまで魚を運ぶ以前に漁獲する人たちは何時に仕事をしているのだろうと思いを馳せた。
五十人ほどの見学者は現場で働く人たちの邪魔をしながら山本社長さんの案内で市場を見学した。生け簀から網で掬い上げられた魚は売参権を持った人たちの前で尾ひれをぴちぴち振るわせて転げ回る。
競りをする人のフォームは野球の応援団長が「3、3、7拍子」を指揮するフォームに似ている。すなわち「3,3,7拍子」と言って腰を落とし手を真上に挙げる。あのポーズである。
腰を落としながら耳に止まらない速さで「タラタラ、タラタラ2000、1800、1700」ここで競り落とした人を高く手を挙げて指さし「ツギイコウタラタラ、タラタラ500、400、300」魚の生きの良さに勝る精力闊達な声で次々に成立していく。
この市場には売参権を持った人が150人、一日200トンの魚が集まる。

     養殖生け簀

売参権を持たない仲買人、買出し人の市場
狭い階段を登ると養殖生け簀が二列に渡って4,5個ある。捕獲しすぎた魚をここで三日間保存する。穴子が元気に泳いでいた。出荷調整も出来る。
反対側の大きな水槽にはカンパチとハマチがゲージに4,5匹づつ並べられて浮いていた。湾の中は温度が高いので夏場はここに保存している。
魚の輸送はトラックに設えた生け簀に泳がせて搬送していたが、最近ではゲージに並べて泳がせないようにして搬送している。さしずめ一戸建ての家からワンロームマンションに変わったようだ。
次に案内されたのは売参権を持たない買い出し人の市場。いただきさん等が買い出しする市場であった。社長はここに一般人が買えるようにしたいと熱く語った。消費者にとって喜ばしいことである。
いただきさんの市場からいったん外に出て冷凍庫に向かう。日本で消費している魚は48%は自国で捕獲、52%は輸入しているそうだ。輸入品は−18度と−25度の冷凍庫に保存されている。この市場の冷凍庫は1500トン入りで天井までかにの箱が並んでいた。

香川の食を考える青空シンポジウム第4回研究会

テーマ「今,香川の食は〜あなたはどう思う〜」

日時 平成19年11月11日(日)12:00から13:30
会場 高松市中央卸売市場 特設野外会場

パネリスト
 岡田千都子(看護師)
 川地由美(小学校教諭)
 寒川昌彦(香川県水産振興会事務局長)
 山中仁(料理研究家)

コーディネーター
 宮城公子(香川の食を考える会会長)

 岡田千都子(看護師) 他県から見た香川の食について
宮崎県出身。20年前に食べたうどんと小豆島の新鮮な魚の味が今でも忘れられない。
香川県は糖尿病の罹患率が全国第5位である。これはうどんの食べ方に起因しているのではないだろうか。
うどんを食べるときおにぎりや天ぷらを食べ汁まで飲む。これによりカロリーと塩分、油分の摂りすぎになる。
長い時間をかけて生活習慣病になるからうどんを食べるときはその食べ方に気をつけなければいけない。
川地由美(小学校教諭)  祖母からの贈り物
若い頃は「手作りなんて不可能」「時間短縮のためならば加工食品も利用するとよい」「外食を楽しむのも良い」
という考えであった。
実家は農家で田舎くさい生活が嫌であったが、祖母が亡くなり祖母が作ってくれた味噌に勝る味噌がないことに
気づいた。祖母の味噌で作ったようなみそ汁が食べたくて味噌作りを始めた。作る楽しさ、無農薬野菜、旬の野菜
を新鮮にいただくことが一番の贅沢であることが分かった。菊の葉の天ぷら、もち花の素朴味等、本物の味は
祖母や両親から受け継いだ。これからの子供たちに作る楽しさを伝えたい。

寒川昌彦(香川県水産振興会事務局長)  「今香川の水産業は」
香川県水産振興協会は大型種苗放流事業を中心に資源管理型漁業の推進増養殖業の振興、漁業操業の
安全確保、水産物の消費拡大事業を行っている。
「食」に関する活動
小学生から高校生、栄養士、一般消費者を対象に年5〜6回「水産食育教室」として漁業体験栄養教室、
料理教室を行っている。
我が国の魚食文化   
日本人の健全な食生活を支える水産物は栄養バランスがよい。近年「割高」、「調理が面倒」「後かたづけが面倒」
という理由で急速に魚離れが進んでいる。健康で豊かな食生活と優れた食文化を守るために食育の積極的な
展開を目指している
これからの香川の水産業
地域に根ざした活力ある香川型漁業の確立を基本目標として水産の振興を図る。漁業環境と水域環境の保全
と意識啓発の推進。担い手の確保と育成と経営基盤の強化。水産物の安全・安心の確保と安定供給。
地産地消と食育の推進
山中仁(料理研究家)  料理は2番〜緩やかにゆとりをもって〜
気の合わない人との食事、体調が悪いときの食事、食に無関心な食事などはどんなに美味しい料理でも美味しさを
感じることが出来ない。ゆっくりとゆとりをもって料理に取り組むことが大事。
食に関する情報が氾濫していて食べることで健康や人間関係が変わると錯覚させるような情報を一番にしている。
自分を見失わないように基準をもちゆとりをもって生活に向き合うことが大切である
料理は心と手で作るから作った人の心の深さが出ると共に感謝の気持ちを持つ機会を作ってくれる。料理や食を考
える前に感謝の気持ちを育ててくれる本を読むことが大切である。食材の持ち味を生かし、材料を引き立てる手順な
どは道元禅師の精神に通じるあるものがある。また、食卓は家族で囲むものであるから分担、分業せず一緒にする
ことによって参加している自覚をもち料理を作った思いが伝わり、感謝の和ができる。
食に関するキーワード
岡田氏  うどんはバランスよく食べる
川地氏  舌で美味しいと感じる子供を育てる
寒川氏  旬の美味しいものを食べる
山中氏  言葉の力、忙しいときは違う言葉で表現してみる
宮城氏  スローフード、人を大切に、伝統食の継承、、
      今回のシンポジウムが食へのあり方の気づきの機会になって欲しい

食に関するトークショー
野菜ソムリエ 王理恵氏
うどんを食べた感想、父である王貞治監督と母親が癌を患ったことで食
に対する考えが変わりソムリエの仕事に就いたことなどを秋の日差しを
真正面に浴びて語って下さった。
福岡の保育園を訪れた時、園児がバケツで稲を育ててそれを収穫して
玄米で食べると誰も残さなかったことに感動した。食べる物はその命の
犠牲の上にあることを八歳ぐらいまでに知らせ作ってくれた人に感謝す
る心を育むことが大事であると話されたが、これは期せずして山中氏が
力説したことでもあった。

平成19年度第5回研究会報告
 

1目的  自然薯とむかごの料理を実習する。
2会場  香川県漁連研修センター(高松市北浜町)
3日時  平成19年12月8日(土)9:30〜13:30
日程
(1)会長挨拶
  宮城公子氏
年3回の研究会を実施していたが本年度は5回の研究会を行うことが出来た。会報5号で報告します。会報の原稿をお願いします
(2)農文協
   伊藤氏
農文協の本は私の知恵袋。香川県国分寺で実施されている取り組みがコミック本「食卓の向こう側」として発刊され好評を得ている
(3)講義・実習 講義・実習「自然薯とむかご料理」
講師 食生活改善推進協議会 高嶋タカ子氏 頼富百合子氏
さぬき市南川町の村おこしの一環として自然薯研究会がいろいろな料理を提案している。
自然薯は3月末に30cm位の親芋をパイプの中に入れ、50cm間隔で埋めて盛り土をする。11月20日頃から収穫する。
蔓に生っているのがむかごで、熱い湯の中に入れた後湿らせたおがくずに入れて保存する。3月にむかごを植えると翌年親芋に成長する。むかごから自然薯に成長するのに3年を要す。
実習内容
むかごごはん 材料(4人分) 材料(4人分) 米2.5カップ 、水3と4分の1カップ、醤油50cc、むかご1カップ弱、
油揚げ2分の1枚、 牛蒡 にんじん、鶏肉 
@米は炊く1時間前に洗い、ざるにあげて水気を切る。
Aむかごはよく洗い、塩水で茹でておく。牛蒡はささがきに切って茹でておく。
にんじんはみじん切り、油揚げは千切りにしておく。
B肉のみじん切りを粗目砂糖100〜120gと醤油に漬けておく
CBに油揚げ、牛蒡、むかごを入れて味付けをする。
D@に水とにんじんを入れて炊く
EDにCをあわせて混ぜ蒸らす。
自然薯の蒸し物 材料(4人分) 自然薯400g、きくらげ又は椎茸4枚、百合根40g、ぎんなん8個、むきえび80g、
卵1個、だし汁1カップ
<銀あん>塩少々、酒小さじ2、みりん大さじ1、醤油大さじ1、だし汁2カップ、片栗粉大さじ2
@自然薯は皮をむいて塩水に漬けてからすりおろす。
Aきくらげまたは椎茸は水にもどして千切り、ゆり根はい片ずつはがし、ぎんなんは皮をとって茹でる。 
BAとむきえびを鍋に入れてさっと火を通した後しばらく冷ましておく。
C@に溶き卵とだし汁を入れて混ぜる。
DCにBを入れて混ぜ、蒸し茶碗に入れ、蒸気のたった蒸し器で5分強火で蒸す。
E銀あんを作る。だし汁に塩、酒、みりん、醤油を入れて火にかけ沸いたら水溶き片栗粉を入れる。
FDにEをかけて出来上がり。
自然薯の酢の物 材料(4人分) 自然薯250g、
<合わせ酢>酢大さじ5、だし汁大さじ3、砂糖大さじ5、塩小さじ4分の1
@ 合わせ酢を作っておく
A すり下ろした自然薯を手に酢をつけて適当な大きさにちぎり合わせ酢に入れる
B Aをのりで包む。点盛りに刻みのりをあしらってもよい。ゆずの刻みを入れるとなおよい
すりおろした自然薯を一口大にちぎり、のりで巻いて揚げても美味しい
かるかん 材料 卵1個、自然薯100g、砂糖70g、上新粉100g、水70cc
@ 上新粉はふるいにかける。
A 自然薯に水を加減を見ながら入れ砂糖を加える。
B 卵白を泡立てAに入れてさっくり混ぜる。
C 器に入れて蒸す。