第3回研究会 報告
 1.日時 平成25年9月28日(土) 6:10〜8:00
 2.会場 高松市中央卸売市場(高松市瀬戸内町30-5)
 3.内容
  (1)5:50〜6:10  受付、
    6:10〜7:00
  @あいさつ 香川県水産課 課長 北尾登史郎氏、 A水産物卸売場見学 「せり場、活魚水槽、小割網施設

水産物卸売場見学「せり場、活魚水槽、小割網施設
「香川の食を考える会」では平成19年9月1日に第3回研究会において市場見学しており、今回は2度目である。牟礼庵治漁協や引田漁協の車が競り場に直接乗り付けて、満載された魚の箱を荷卸しする傍らで、競りが行われている。
 荷を選別する人がコンベアーのごとく素早くトロ箱を送り出すと、競り人は大きく手を動かせて耳にも止まらないような威勢の良い声を発する。それに呼応して買参権を持ている青い帽子を被った人たちが声を発し札を入れ、それを帳面付する人がおり、瞬く間にせりは終わる。2,3か所でせりが行われており、競り人は息つぐまもなく生きた魚を次々と送り出す。まことに元気そのものである。
近隣の漁業組合や個人の漁師が持ち込んだ魚には氷を入れてなく、朝5時30分までに競りは終わる。先取り取引は2時30分から始まり高級魚は直接取引をして買う。
はもは外海にはいなく瀬戸内海だけに生息していてこのシーズン美味しい。400gサイズの大きなものも漁獲される。
活魚水槽
養殖ハマチ、オリーブハマチ、ひらめ、すずき、たこなどが7トンの海水が入った水槽で泳いでいる。オリーブハマチは今年度24万匹が養殖されている。9月15日から1月10日までに4万トンのハマチが、水温18度を維持された水槽で保存され出荷される。職員の方が惜しげもなく大きなハマチを網ですくい上げて私たちがいる前の台に乗せる。
魚の耳の中にエアーを入れると脊髄から神経が飛び出す。その間 0.*秒。そのあと氷水につけると身の質や色がよくなり身割れがしないので鮮度を保てる。スーパの要望で行っている。鯛は鼻から尾まで針金を入れて神経を抜く。水槽は直接トラックで運ぶのに便利であることと、入荷量、出荷量の調整ができるのでよい。
(2)7:10〜7:45  講義 「瀬戸内海の魚の種類や特徴について」
                講師:香川県魚市場 社長 山本啓之氏
 市場でのせりは、ほぼ香川県産の魚で、牟礼、瀬戸内海、志度、鴨庄などで漁獲されたものを共同出荷、個人で持ち込まれものを扱っておりその日のうちにほぼ残らず売る。臭い、傷のあるものは別として30円以下の値がつくことはない。量が多い時は安くなる。全国でも珍しい競下げで行っている。てんじんから下がるのでスピードが速く落札されるから、競りをする人にかかる責任は重い。3年勤めて免許取得が可能になるが現場で競りができるようになるには年数がいる。ここでの競り人は15年以上の経験者だ。値どり、仕分け、荷の選別には熟練者でないとできない。同じ色、同じ規格、鮮度を一瞬で見分けなければいけない。また、人間関係を強くしなければいけないから相当の経験を必要とする。「オー」の一声で無条件で買える。
魚の漁獲量は前日の天候で決まる。風が吹くと魚は少ない。夏場は多い。西高東低の9〜10月は豊富、11月〜は減少して値が高くなる。夏から秋にかけては”しず”(クラゲを食べる)が多くとれる。エビも時期である。エビ、たこが市場の取扱量が多い。讃岐のタコは水揚げ量全国2位。輸入は10%アップしたが中国やヨーロッパで魚を食べる量が増えたので日本は買い負けている。タコは年中あるので地物の、生のタコを食べてください。
9月14日からオリーブハマチを販売している。オリーブハマチはしっかり生育されたものに最後の20日間2〜3%オリーブの葉が混ざった肥料を与えている。あっさりしている。何より讃岐のオリーブとハマチが融合した物語が素晴らしいです。スーパで高くとも、ぜひ地元の人に食べてもらいたい。生産者が元気になれる。今、漁師の高齢化がすすんで、今当たり前に食べている魚が今後食べられなくことも起こりうる。美味しい魚を食べ続けられるためにも”安かろう”だけでは廃れてゆく。
魚は歩留まりが悪い。。鯛は38%、ハマチは45%、さわら60%。市場ではあまり高くないが、家庭で魚をさばかなくなったので、店ではさばく人件費とパック代を入れて市場価格の3倍が売値になっている。自分でさばくと安くなる。
坂出と丸亀の市場が合併して10月5日にオープンする。直接販売や食べやすいアンテナショップの販売ルートをとっているので見学してください。
2年前に全国の魚消費量が肉の消費量より少なくなった。TTPで安い肉が入ってくると魚が高いイメージになる可能性があり、家計によくても健康によくない。魚にシフトしてほしい。
日本は鮮度感が最高である。スーパで残った魚は廃棄されている。味付けや料理の工夫で瀬戸内海の魚を残さず食べる工夫がいる。
瀬戸内海の魚は貴重である。香川県は海が広く、1年を通してとれる魚が違う。さわら、鯛、まながつおは春瀬戸内海にやってきて子供を産んで寒くなると外海へ戻っていく。
香川県は小魚を食べる文化がある。小鯵、小さいイカ、あおりいか、こういか、たなご、かれい。28℃以下になると漁獲量が減少する。かれい、いかなごが少ない。
  
     香川県水産課 課長補佐 香川 哲氏
香川を代表する魚16種類ある。ハマチ、ノリ、カタクチイワシ、マダコ、マダイ、小エビ、メイタガレイ、ナシフグ、タイラギ、カキ、アナゴ、コウイカ、サワラ、イカナゴ、マナガツオ、キジハタ
香川ブランドハマチ3兄弟の引田鰤、なおしまハマチ、オリーブハマチ、
メーカとタイアップしてさぬき蛸をPRしている
7:45から8:00連絡事項 「伝道師が行う食育教室について」
8:00〜解散、市場開放