季節の郷土料理春の野菜

葉ごぼうは香川県で昔から栽培されているポピュラーな春野菜である。
一般に言う「ごぼう」とは異なり、根、茎、葉のすべてが食用となる。
食物繊維、Fe,Caが多く含まれている。旬は1月から4月で、春を呼ぶ野菜とも言われている。
香りはよいが、あくが強いのであく抜きして用いる。根は15分、茎は数分、葉は30分ぐらい茹でて
あく抜きする時間が異なる。根と茎は繊維が多く硬めのものもあるので、包丁の背でたたいておくか
細い斜め切りにするとよい。根は包丁でひげ根をこそげておく。

葉ごぼうのかき揚

 材料分量(4人分)
葉ごぼう(根と茎) 300g
にんじん50g小麦粉   65g(カップ2/3強)
水 100cc(カップ1/2) タンサン 少々
天つゆ
醤油 16cc みりん 16cc  だし汁  120cc

つくり方

@ 葉ごぼうの根はささがきに切る。茎は細い斜め切りにする。別々に水につけてあく抜きをする。
A にんじんは、3〜4cmの千切りにする。
B 小麦粉にタンサンと水を加えて混ぜる。
C Bに@とAを加えて混ぜ合わせ、180℃の油で揚げる。大根おろしを添える。
D 醤油、みりん、だし汁を鍋に入れて沸騰させて天つゆを作る。

葉ごぼうの混ぜご飯   

 材料分量(4人分)
葉ごぼう(根、茎)  200g、 にんじん  60g、
油揚げ 60g(2枚)  醤油  80cc(大さじ5と1/3)
酒 15cc(大さじ1)、   米  480g(3カップ)

つくり方

@ 飯は普通に炊く。
A 葉ごぼうの根は包丁の背でひげ根をこそげ落とし、ささがきにして15分ぐらい水につけてあく抜きをする。
茎は包丁の背でたたき、斜めの細切りにして数分間水につけてあく抜きをする。
B 油あげは熱湯にくぐらせて油抜きをして、3cmぐらいのながさの細切りにする。にんじんも同様に切る。
C 葉ごぼうの根と茎をざるに移して水気を切る。
D 鍋にBとCとを入れて、醤油と酒を加えて汁気がなくなるまで煮る。
E 飯にDを加えて、しゃもじで切るようにして混ぜ合わせる。

葉ごぼうの葉の佃煮  

 分量
葉ごぼうの葉、醤油、みりん、ごま油
作り方
@ 葉ごぼうの葉を茹でて細かく切り、水に30分ぐらいつけてあく抜きをして絞る。
A 鍋にごま油を少量入れて熱し、@を加えて炒めてから、醤油とみりんで好みの味付けをする。細かい輪切りにした唐辛子や細かく破った板のりを加えてもよい。
赤そら豆ご飯
材料・分量(4人前) 米 480g、水 720cc、
赤そら豆 240g  ごま塩 適量
 
つくり方
@米を洗ってざるに上げて水切りする。
A水に@を入れ十分に吸水させて、皮のついた赤そら豆を加えて普通に炊く。
B器に盛り、ごま塩をかける。
備考 皮が赤い小粒のそら豆を米と一緒に炊飯すると、赤飯のように飯が
    赤く染まり、飯の食感が糯米を用いたようになる。
    赤そら豆は、煮豆にするとおいしくないが飯に炊き込むとおいしくなる。
わけぎの肉味噌和え
材料(4人分)
 わけぎ 400g、とり挽肉 100g、 
 あえ衣:ごま油 5cc、 赤みそ 60g(大さじ3と1/3)、 砂糖 40g(大さじ4)      しょうが10g  
作り方
@ わけぎは根がばらばらにならないように根を取り除き洗う。
A 熱茹でわかぎを茹でて水で冷まして絞る。根本をそろえて3cmの長さに切る。
B 厚手の鍋を熱してごま油を入れ、鶏挽肉を入れて炒める。肉に熱が通ったら、砂糖、味噌を加えて練り上げる
冷めたらわけぎを和える。
C しょうがを千切りにして水にさらしたものを天盛りにする。
応用
1とりそぼろを作り置きし、味噌と砂糖を加えて肉みそにすると簡単である。
2.ほうれん草やまんばを使ってもよい。。
備考
わけぎは春に豊富に出回る安価な緑黄野菜であり、わけぎの酢みそ和えは伝統的な料理であるが、
若い人の嗜好あいにくい。肉みそ和えにすると食べやすい。
きゃらぶき
材料(4人分)
ふき(細長いもの)200g、醤油 60cc、
酒 50cc(カップ1/4)、砂糖 9g(大さじ1) 
作り方
@ ふきは洗って7〜8分ゆでる。冷めたら冷水に入れて一晩あく抜きをする。あくが抜けたら水洗いして4〜5cmの長さに切る。
A 鍋にふき、醤油100cc、酒、砂糖を加えて弱火でゆっくり煮詰める。煮汁がひたひたより少なくなったら水を少量加える
B ふきがしんなり柔らかくなったら火を止めて半日から一晩おく
C 醤油40ccを加えてもう一度火にかけて弱火で煮る。出来上がる直前に火を強め、煮汁が鍋底に少し残るぐらいにする。
応用
砂糖の代わりに水飴を用いてもよい。砂糖の量は好みで加減する
備考
きゃらぶきは伽羅蕗と書く。伽羅は濃い茶色で香木の一種である。黒褐色でくきに筋目があり芳香のある蕗の佃煮を伽羅になぞらえて命名したようである。特に山蕗は香りがよい。お茶漬け、おむすびに重宝である。
ふきの葉の佃煮
材料(4人分)
ふきの葉 10枚、かつおぶし 4g、水 50cc(カップ1/4)
酒 100cc、砂糖 6g、醤油 50cc
作り方
@ ふきの葉は熱湯で十分ゆでる。冷水にとって、細切りにする。
A 鍋にかつおぶし、水、酒を加え沸騰したら@を加える。ひと煮立ちしたら火を弱め、砂糖、醤油を加えて、ふきの葉が褐色になり汁気がほとんど残らなくなるまで煮る。
B ふきがしんなり柔らかくなったら火を止めて半日から一晩おく
C 醤油40ccを加えてもう一度火にかけて弱火で煮る。出来上がる直前に火を強め、煮汁が鍋底に少し残るぐらいにする。
応用
ふきの葉の佃煮に梅干しを1,2個加えて煮ると、梅風味の佃煮ができる。砂糖の分量は好みで増やしてもよい。
備考
ふきの葉は出始めが柔らかくて苦味が少ない。苦味が強い場合は熱湯で茹でて一晩水にさらしておくとよい。
いたどりのきんぴら
材料(4人分)
いたどり 400g、油 30cc、ごま油少々、
砂糖 20g、醤油 23cc(大さじ1と1/2)、白ごま 3g(小さじ1)
作り方
@ いたどりの皮をむき縦に割る。熱湯でさっと茹でざるに上げて冷ます。
A 冷えたら3,4回水を取り替えて半日ぐらい水につけて酸味を取る。
B 3cm位に切り油を熱して炒める。
C 砂糖、醤油で手早く味を整え汁気を煮詰め、ごま油で香りをつけてごまを振る。
応用
1.ぬた、ごま和え、からし和えにしてもよい。
2.茹ですぎないように注意する。いたどりが白くなったらすぐざるに上げる。
備考
いたどりは4月から6月頃までよく見かける山菜の一種で簡単に入手できる。「すかんぽ」とも呼ばれる。
香川県では「すいすい」という。