08香川の食を考える会シンポジウム報告

実施内容
(1)日時平成20年11月9日(日)開場11:30〜13:30
(2)場所高松市中央卸売市場管理事務所5F会議室
(3)日程シンポジウム 11:45〜13:15
テーマ      「今、香川の食は  〜野菜を食べよう〜」
司会         寒川昌彦氏   香川県水産振興協会 事務局長
パネリスト     池本和子氏 太田潔子氏 福留  均氏 
            山本恵美子氏 
コーディネーター 宮城公子氏   香川の食を考える会 会長 
1 池本和子氏  香川県食生活改善推進連絡協議会 会長 私たちの取り組み
  香川県食生活改善推進協議会は今年で30周年を迎える。17市町村の協議会、4500名の会員がいる。      
  正しい知識や望ましい食習慣を身につけるために地域のニーズに合わせて進めている。子供から高齢者       
  まで全世帯を対象に”健やか香川21ヘルスプラン”を展開している。活動内容は         
  1.現状把握・・・・@野菜の摂取不足、A朝食の欠食・孤食の増加、B子供成人の肥満、
             C郷土食文化の希薄   
  2.食育活動    「朝ご飯・野菜大好き、一皿増やそう野菜」をテーマにメンバー4500人で活動している。
              子供や若い世代への浸透を特に期待している。
  3.栄養、食事バランスガイド
2 太田潔子氏  食と農のソムリエ、食育プランナー 楽しい野菜作り
  庵治の石屋さんに嫁ぎ28年。義父母の後を継いで田畑で減農薬、有機肥料にこだわって安心安全な野菜を
  作っている。多くの人が家庭菜園をして安全な野菜を作り収穫の喜びを味わってもらえる活動をしてゆきたい。
  自分が育てた野菜を大切に楽しく食べる料理教室を開いて地域のコミュニケーションの場を作り食育の大切さ
  を伝えたい。愛情のない食卓で、たとえ満腹になっても心の飢えは満たされない。食事は単なる栄養摂取の
  手段ではなく大切な心の栄養源である。昔は祖母や母が作った食事を家族団らんで楽しく食べる中で子供の
  心も育っていった。心を失ったような事件を起こす子供が増えている昨今、食育の大切さを痛感し
  「食と農のソムリエ」 「食育プランナー」を取得した。
    
3 福留  均氏  (社)農山漁村文化協会 中国・四国支部支部長  農村を歩いて考えること
  年初めの中国ギョーザ事件に始まり、最近の事故米に至るまで食をめぐる事件がこれほど多発した年は
  ありません。
  生産現場では原油価格高騰により経営を圧迫しているがまだ価格添加されていない。
  アメリカでは「ファイブ ア デイ」「5 grips 運動」が効を奏して野菜・果物の消費が20%伸びた。日本でも
  全国4都市において食事バランスガイド推進事業に取り組んでいる。バランスのとれた食事の原型は当会が
  発行した「日本の食生活全集」にある。佐世保の小学校で生ゴミから堆肥を作り学校農園で野菜を作った
  ところ野菜嫌いだった子供が自分で作った野菜を食べるようになった。低体温児童の問題は子供のSOS
  として見過ごせないことでありデータ作りが急がれる問題である。 米所では野菜の摂取量が多い。食の
  背景には個別の食文化がある。地域の物を評価しておいしく食べる調理方法を伝承して生活文化ともいえる
  生き方を評価する時期に来ている。西日本新聞に掲載された「食卓の向こう側」に詳しく掲載。 
  http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/shoku/ (西日本新聞、食卓の向こう側URL)にリンク
4 山本恵美子氏 高等学校教員
料理が出来ない高校生がたくさんいることに驚いた。炊飯器でごはんが炊けない、卵を割れない、
玉葱をどこまでむくのか分からない。彼らは自立したとき何を食べていくのだろう。私は大学生になってコンビニ弁当を食べていたが食べたいと思える物がほとんどなくなった。子供の頃食べていた季節の野菜は毎日食べても飽きずにおいしく食べられる。食習慣は、幼い頃食べてきた食事によって作られる。本当に食育が必要なのは、これから食生活を作っていく若い人、子供を育てている親たちであり、食に携わる仕事をしている企業であり人ではない か。調理実習の時間だけ楽しい、おいしいという実習に終わらせることなく地元の野菜を使った料理、旬の野菜をおいしく食べる実習にしていきたい。 
参加者の意見
・香川県食生活改善推進協議会は幅広い年齢層に食育を行っているが、これからは子供や若い世代へのきめ細かい食育にさらに力を入れたい。

・うどん研究会では、飯山町の子供会で小麦の種まきをして育て、それを使ったうどん教室を10年前から行っている。
 小麦の成育、小麦から粉になる過程、粉の主成分はデンプン質とたんぱく質でありうどんの粘りはたんぱく質のグルテン が関係していることなどを子供達は体験を通して知ることができる。今後も、さぬきうどん文化を継承していきたい。

・小豆島からの参加。保育所の調理員をしていた。3歳児から食材の名前を教えたり野菜を育てることをしてきた。
 ピーマンが嫌いだという子供でも自分が栽培して収穫したものは喜んで食べる。これからは地産地消の食育ボランティア の活動をしていきたい。

・それぞれの方の食への取り組みはすごい。いろいろな食問題の発表があったが、これらはすべて自分自身の問題でもある。よりよい食生活への努力をしたい。周囲にも広めたい。

・生きる知恵をもって日々に年を重ねたい。いろいろな活動に参加し多くの人に出会え、特に食のいろいろの意見を聞くことは楽しい。健康で生き生きとしゃべれるおばあちゃんになりたい。

・看護師をしている人から最近の母親の母乳に油が浮いているとの現実を知らされて驚いた。母親の食事内容が乳幼児に影響する。この事実を若い母親達が自分の目で確かめて関心を持たなければいけない。

・夫が糖尿病になり野菜を中心にした食事に変えたところ検査数値が安定した。

・昨年子供が生まれた。子供の健康な成長を第一とした食事を意識している。

・飽食の時代、個食やファーストフード過剰が問題になる時代である。食の原点は家庭であり子供の成長には親の手作り料理が一番である。

・栄養職員を定年退職したが、食育には野菜の手作りが重要であると以前から思っていたので、今は香川農業大学校で野菜作りを学んでいる。

・野菜たっぷりの調理で日々の楽しみが増す。新鮮な地元野菜を食べられる食の流通を考えなければいけない。

・食育のキーワードは「本当のおいしさ」ではないだろうか。そこには安全・安心がある。
宮城コーディネーター
  私達人間は宇宙の摂理、地球の営みの中で生かされているので、その土地の季節の野菜を十分に摂取すること が、健康維持のポイントである。自らの栽培や料理、家で囲む食卓から「たのしい」「うれしい」「おいしい」の感動が生まれる。このことが心身の健康につながるといえる。
 時間の都合で、パネリストと参加者の意見交換が十分に出来なかったのは残念であるが、ここに集う方々の様々な食への思いを語り合え、今後の食生活への示唆を相互に受けることができた。シンポジウムの冊子には、季節の野菜を使った香川の郷土料理のレシビや香川県の野菜の摂取量の資料を掲載しているので参考にして欲しい。

http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html (農林水産省 食事バランスガイド)

http://gojiman.jp/      (高松市農産物ごじまん品)