私の回想録、
  第9回    十円札

 

  だいぶ前のことになります、

 十円銅貨を見ていると昭和28年の

 銅貨が見つかりました、
 28年と言うと私が小学校4年生の頃です、

     それまでお金は紙のお金ばかりでした、

1円札、5円札、10円札、50円札、100円札、千円札でした、
私たちがもらえるこずかいと言えば 月に1〜2回のこの十円札

だったのです、
しかしこの十円札が本当にうれしかったのです、
当時 みかん水が5円、パンが10円、鉛筆5円、ノート10円位の

時代でした、
私たちはこずかいをもらうといつも50銭の飴を買うのでした、

そうすると20個の飴が買えてそれを少しずつ皆にすそ分けする

のです、
たまにおまけがあるととても喜んだものでした、
終戦から8年ほど経っていましたが山村の生活は決して豊かでは

ありま
せんでした,欲しいものでもなかなか買ってもらえなかったのです
一生懸命手伝いをして正月とか盆などにやっと買ってもらうとうれ

しくて
それを枕元において寝たものでした、
靴など買ってもらうと大切にしまっておいて正月からおろしたりして

物は
本当に大切にしたように思います、
私達にとって盆や正月は1番の楽しみであり指折り数えて待った

もの
でした、
又その頃は田植えと稲刈りの時期には家の手伝いをするため

1週間
づつの休みもあったのです、子供達は家の手伝いをする

のが当然のことでした、
今、子供達を見ると時々自分達の子供の頃を重ねてみるのです

が、
今の子供達は本当にしあわせですが 何も無かった私たち

子供の
頃もそれで充分しあわせだったと思っています、
その頃の10円札が今の千円札よりも価値があったように思います

この10円札 私たち年配には本当に思い出のお金でした、

今も大切にしまってあります、

 

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