私の回想録、

第1回    私の戒名
 私が花屋を始めたのは 平成元年大安吉日の4月4日でした、

皆の心配をよそに予想以上の繁盛に喜んでいたとこ
ろその

4月10日長年、床についていた父がこれを見届けるかのように


亡くなりました

       若いときから陰日なたなく、実に良く働く父でした、

       翌日近所の方々が手伝いに来てくださり、寺へ必要な品を取りに

     行って
くれた時のことでした、

       私たちの地域は弔旗に故人の生前の名前を書いてこれを立てて

     葬送を行うしきたりになっています、

       ところが受け取った弔旗には私の名前が書かれていたのです、

       大変えらい坊さんなのですが高齢のため間違われたのでしょう、

       これはいかんということで 急いで書き換えてもらって持ち帰り

     儀も無事終了することができました、

       やがて参列にこられた方々も帰り、お世話くださった方達にもお礼

     を言って
祭壇もはずし、 6日の法要の準備にかかりました、

     葬儀には遠くからの来客もあるため、このあたりでは初7日の法

     要を
その日のうちに済ませる習慣があります、

          
        ところが その位牌を見てびっくり、忙しくて気が付かなかったの

     だが
戒名の頭文字に 私の名前の頭文字がちゃんと付いている

     のです、

     しまった、 と言っても もう手遅れである、

     弔旗の名前は 変えてくれたのですが 戒名を書き換えるのを忘

     れてそのままに
なっていたのです、

           
       私はあまり気にしない方なのだが親父は無事 成仏してくれたの
      
     だろうか?、

        時は過ぎて その住職さんも他界され 若い住職さんに代わり

        何度か法要も済ませましたが、なぜか法要のたびに複雑な心境

      になる、

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