私の回想録

第45回 先物取引

ある日 1冊の本を買いました、それは日本国破綻と言う本
でした 内容は 今 日本の国は毎年多額の国債を発行して 
国の借金 地方の借金含めて世界一の借金国になってしまった
との内容でした、
やがて日本円も地に落ちて紙くずになるとのことです、
そしてこれを返済するためにはデノミを行わなければ不可能
との事です
たとえば100円を1円に通貨の呼称を変えたりして国の借金
をそれでご破算にしてしまうとのことでした、
そこで これからの対応策として 円、 ドル、 金、と3つに
分散すべきであるとのことです、
なるほど 国債の額も年々増えているし これもうなずけるの
です
そこで ネットで調べてみたのです、
ある商品会社のページで無料パンフレット進呈との記事が
あったためそれの請求のメールを送ったのです、
すると翌日わざわざ高松からセールスマンがやってきたのです、
パンフレットを持ってきてくれて いろいろ説明をしてくれ 
金の地金を買うようにとのことです、
しかしそんなに急に言われてもその気にはなれません、
しばらく考えて見ますとのことで帰られました、
そして何度か電話もあり 数日して再びやってきたのです、
私も好奇心旺盛なタイプで それでは2枚でも買ってみようか
とのことで注文しました、すると それをわざわざ持ってきて
くれたのです、
金の延べ板1kgが200万円余りしました、
小さな10cmくらいのものですが鉄より重く札束より価値観
はありました、

やがて最終的に1500万円近くで6枚買ったのです、
これを銀行の貸し金庫に保管しました、毎日の市況を一喜一憂
の思いで新聞の市況を見たものでした、
何度か売り買いもしましたが 大きな変化もありませんでしたが
それから約2年が過ぎました、
そんなころは良かったのですが やがて商品会社の人から
先物取引をすすめられたのです、

わずかな頭金で大量の金が買えるのです、市況が上がれば
いいのですが下がれば大変なことに成ります、
何度も断わっていたのですが とうとう押し切られて50kgの金
を買ったのです、そして翌日仕切り書が送られて来ました、
一般の投資家からすれば ままごと みたいなものだったのかも
しれませんが 金額は1億1千600万円でした、
頭金はわずかですがこれだけの商品を買ったことに代わりは
ないのです、
それから毎日市況を電話で聞くことの繰り返しになりました、
昼は日本の市況 夜はロンドン相場 ニューヨーク相場と1日に
何度も聞くのですが下がり始めると電話を持った手が震えました、海外の相場が日本の相場に大きく影響するのです、1円下がれ
ば5万円の損、それが多い日には20円〜30円の上下があるの
です、
わずか100円や200円の花を売っているのに1日150万〜
200万の上下があるのです、
全く心のゆとりがなくなりました、
そして4日後に下がり基調になってきたのです
、これ以上下がられたら大変と損を覚悟で売り注文を出しました、1億円を超える金額が電話1本で売り買いできるのです、最初は140万の損でした、
そして翌日下がったので買い戻しました、電話で買い注文をすると分かりました、とのことで20〜30分後にいくらで買いましたとの電話が入ります、
そして2日後に少し上がってきたので再び売り注文を出しました、
今度はちょうど140万の儲けで先日の分と差し引きゼロになり少し気が楽になりました、そして翌日少し下がったので再び買い注文を出し また3日後に値上がりしたので売り注文を出しました、
今度はうまく行って180万の儲けになりました、
ところがこれでやめておけばよかったものをその日の夕方少し
下がったのでまた買い注文を出したのです、
しかし下がり基調になり 土 日をはさんでいたので月曜にあまり
損をしないうちに処分してしまいたいと思っていたのですが 
月曜日がちょうど海の日で日本の市場が休みでした、そして
その日のニューヨーク相場が下がったのです、当然日本の市況
にも影響して翌日の市況はだいぶ下がりました、
しかしこれ以上下がっては大変 と商品会社の人はもっと持っていたほうがいいですよとのアドバイスだったのですが、急いで売って
もらったのです、結果は280万の損でした、
しかしその日を境に市況はだんだん下がり 持っていたら1500万
くらいの損失までの相場に下がりました、
身分不相応のことはするべきでないものです、このとき売っておかなければ地獄を見ることになりかねませんでした、
それ以来商品投資は一切やめました、100万円の損 と高い授業料になりましたが これくらいの金額でしたらまた取り返しも出来
ます 長い人生の ひとつの失敗談です、

しかし今 日本の国も税収よりも国債の発行(借金)が多くなり
ました 個人の家に当てはめればすでに破産状態、やがて金を
買わなければいけない時代が来るような気がします、



    
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