「FMぷりん」設定マニュアル
「FMぷりん」はFileMakerのWindows環境で各種プリンター書式情報を保持して印字させる為のツールです。
FileMaker11ではFileMaker自体でプリンター書式情報を保持する事が出来るになりましたが、FileMaker10までは修正版は提供されないと思われます。FileMaker11にアップするまで「FMぷりん」は必須ツールです。また、FileMakerをバージョンアップ出来た場合には、印刷関係のスクリプトで1行だけを変更すれば済みます。
FMPrin5からはFM7〜FM11混在環境でも実行出来る様になっています。
Runtime対応にも対応していますので、より利用範囲は広がりました。
また、FMぷりんはFM6(恐らくFM5も)にも対応しています。
1、「FMぷりん」入手方法
入手先 https://sites.google.com/site/scriptmakerms/fmprin
ダウンロード方法
「ダウンロード」をクリック
FMPrin5.zipがダウンロードされます
ダブルクリックして解凍すると「FMPrin3.exe」が生成されます。
(MPrin5.zipを解凍しても、ファイル名はFMPrin3.exeのままです。)
2、「FMぷりん」インストール方法
「FMぷりん」 FMPrin3.exe
好きな場所に保存するだけですが、推奨場所は以下のフォルダです。
C:\Program
Files\FileMaker
このマニュアルではここに保存されているとして記述します。
FMPrin3.exeのショートカットをデスクトップ等に置いておきます。
「単体使用でのプリンター書式情報の保存先」
好きな場所に保存するだけですが、推奨場所は以下のフォルダです。
C:\temp\FMPrin
このマニュアルではここに保存されているとして記述します。
「FileMaker Server運用でのプリンター書式情報の保存先」
単体使用と同様に、プリンター書式情報は各クライアントに保存します。
例・・各クライアントのC:\temp\FMPrin
各クライアントへのXML配布方法は各自で対処して下さい。
「Dropboxの活用」
ひとつの方法としてはDropboxを活用する方法があります。Dropboxは2GBまで無料で使用出来ますから、各クライアントにDropboxを導入してひとつのフォルダを共有します。開発者は自分のパソコンにあるそのフォルダに入れてやるだけで、全てのクライアントのフォルダに自動的に配布する事が出来ます。
3、「FMぷりん」プリンター書式情報設定方法
FMPrin3.exeのショートカットをクリックすると、プリンター書式情報をファイルに作成する事が出来ます。
書式を選択するのは簡単です。パソコンにインストールされているプリンター情報が自動的に表示されるので、通常のプリンター設定と同様に操作するだけです。
(1)印刷・・・現在のレコード、対象レコード、レイアウト
(2)プリンター・・・インストールされているプリンター
(3)印刷範囲
(4)印刷部数
(5)開始ページ
(6)用紙サイズ・・・インストールされているプリンター用紙サイズ
(7)給紙・・・インストールされているプリンター給紙方法
(8)印刷範囲・・・縦、横、選択
(9)印刷設定を実行・・・通常はチェックをはずします
書式を保存しない現象に遭遇した時だけチェックを入れます
(10)印刷をclick・・・通常はここにチェックを入れます
チェックをはずすのはテストの時だけでしょう
目的の書式を入力出来たら「保存」をクリックします。
プリンター名と用紙が自動的にファイル名として入力されますので、分かり易いプリンター名に変更するだけでなく、印刷の種類、用紙の向き(縦横)を追加する事を勧めます。
そうしておけば、後からスクリプトを作成する時にファイル名を見て判断する事が出来ます。
例:dell_2330dn_対象_A4V.xml
4、fp7でのFileMakerスクリプト作成(Ver7以降)
実際のスクリプトで「FMぷりん」を使った印刷をするのは簡単です。今までのスクリプトの「印刷設定」「印刷」を「Eventを送信」に変更するだけです。
「Eventを送信」
送信・・・ファイル/アプリケーションを開く
計算・・・計算のチェックを入れる
「計算式例」
Quote ( "C:\Program
Files\FileMaker\FMPrin3.exe" ) & " " & Quote (
"C:\temp\FMPrin\LBP3910_対象_B4H.xml" )
◎ 前半のQuoteでFMPrin3.exeの指定をします。
◎ 後半のQuoteで目的の書式xmlを指定します。
5、fp5でのFileMakerスクリプト作成(Ver5~Ver6)
Ver6までは「Eventを送信」、「Quote関数がない」違いがありますが、基本的な方法は同じです。「Eventを送信」の代わりに、「メッセージを送信」を使用します。
「メッセージを送信」
送信・・・ファイル/アプリケーションを開く
テキスト・・・チェックを入れて、設定ファイルを記述
「テキスト例」
fp5にはfp7の様な計算がないのと、Quote関数がありません。その為テキストに下記の様な記述をします。
"C:\Program Files\FileMaker\FMPrin3.exe"
"C:\temp\FMPrin\Canon3930_対象_B4H.xml"
◎ FMPrinのフルパス + 半角スペース + 設定ファイルのフルパス
◎ それぞれのパスは(")半角のダブルクォーテーションで包む
6、その他補足説明
(1)印刷設定を実行
このチェックは通常不要です。プリンターが設定出来ないトラブルが発生した時のみチェックをして下さい。通常のFMぷりんの処理と印刷設定を実行にチェックを入れた場合の処理は以下の通りです。
「通常のFMぷりんの処理」(印刷設定を実行・・・チェックなし)
「A」印刷のダイアログを表示
「B」プロパティを表示
「C」プリンターの設定で「OK」をクリック
「D」印刷のダイアログで「OK」をクリック
「印刷設定を実行にチェックを入れた場合の処理」
「A」印刷のダイアログを表示
「B」プリンターの設定で、各内容を設定
「C」プリンターの設定で「OK」をクリック
「D」「通常のFMぷりんの処理」を実行
※「通常のFMぷりんの処理」の前に、印刷設定を実行させるという事です。
(2)FM7〜FM11混在環境での使用方法
「A」バージョンを判断して分岐
「B」FMぷりんのみで実行(要FMPrin5)
(3)印刷終了を待つ!!事ができそう?
以下の場合、
スクリプト:
Event を送信 [「aevt」; 「odoc」; FMPrin実行]
カスタムダイアログを表示 [1]
カスタムダイアログの表示後、FMぷりんが実行されていると思います。
印刷が終わらないが、
カスタムダイアログを表示 [1]を実行しています。
====================
解決策1
印刷終了を待つ!!(FMぷりんの起動を待つ)
スクリプト:
Event を送信 [「aevt」; 「odoc」; FMPrin実行]
スクリプト一時停止/続行 [間隔(秒): 3]
カスタムダイアログを表示 [1]
一時停止の時間がPCの性能に左右され最短に設定出来ない。
====================
解決策2 今のところ推奨
印刷終了を待つ!!(FMぷりんの起動を待つ)
スクリプト:
Event を送信 [「aevt」; 「odoc」; FMPrin実行]
印刷 []
カスタムダイアログを表示 [1]
印刷 [] スクリプト
を入れる事で 印刷終了後、カスタムダイアログが表示されます。
FMのスクリプトで
印刷 []
を実行していますが最終的にはFMぷりんが[OK]をクリックし自動で閉じます。
印刷 []
は、
スクリプト一時停止/続行 [間隔(秒): 3]
の代わりです。
7、トラブルシューティング
(1)印刷が2部印字される
「Eventを送信」スクリプトの直後に「印刷」スクリプト(ダイアログなしで実行)を実行していませんか?「FMぷりん」は書式設定後印刷まで実行します。「印刷」でダイアログなしで実行のチェックをはずして下さい。
(2)「FMぷりん」で書式を保存しても印刷されない書式がある
書式を保存するフォルダの場所を変更していませんか?原因は不明ですが、その様な場合に発生します。書式情報だけをもう一度保存し直して下さい。
それでも書式が保存出来ない場合には、印刷設定を実行にチェックを入れて見て下さい。
(3)印刷後印刷ダイアログが表示されたままになる
「FMぷりん」で印刷のチェックを入れずに、「印刷」スクリプトを実行して印刷していませんか?「FMぷりん」印刷のチェックを入れて、「印刷」スクリプトを削除するかダイアログなしで実行すれば直ります。
(4)印刷専用のレイアウトに移動後印字させて表示用のレイアウトに切り替えるスクリプトでは、表示用のレイアウトが印字される
「FMぷりん」が実行される前にレイアウトが切り替わった可能性があります。問題が発生する場合はウェイトのタイマーをセットしてレイアウト切り替えのタイミングを遅らせてみて下さい。
(5)カスタム書式設定の場合、正しく記憶されない
プリンターに最初から記憶されている以外の書式を設定する場合、手動でも問題がある様です。Ver3を使っている場合は、一度Ver4を試してみて下さい。書式の保存を印刷設定ダイアログと印刷ダイアログの2度実行しています。かつ切り替え時間を少し待つ様に仕様を変更していますので、Ver4であれば記憶される可能性があります。
(6).NET Framework
Initialization errorとなる
「FMぷりん」が動作する為には、Visual
C++ のランタイム版を導入しておく必要があります。多くの場合導入されていますので問題が発生する事はありませんが、もしこの様なエラーが発生した場合には、Microsoftのホームページからダウンロードします。
8.不具合報告方法
FileMakerメーリングリストにて不具合報告をお願いします。
出来れば具体的に問題点を報告お願いします。
9、マニュアル更新履歴
2010/12/05
(1)Ver6での設定
2010/10/26
(1)FMPrin5
(2)ダウンロード先変更
(3)Ver7〜Ver11混在環境への対応
(4)Runtime対応
(5)クラサバにおける「Dropbox」の活用
(6)XMLファイル作成時に、プリンター名と用紙サイズの自動登録
(7)印刷設定の実行を選択可
2010/05/29
(1)FileMaker11について
(2)Visual C エラーについて
2010/01/15
(1)FMPrin3とFMPrin4の併用
(2)カスタム書式のトラブル対応
(3)不具合報告について
2010/01/09
(1)FMPrin4
(2)サーバー利用時の注意点
(3)印刷レイアウト切り替えのタイミング
2009/12/30
最初のバージョン
以上