略して俺コレ、ってそのままやん!
みなさんいかがお過ごしでしょうか。このコーナーは、
過去ベーマガに掲載された作品の中から、特にアイデア面に
重点をおいて、これだ!という作品を厳選して紹介していくものです。
PC−8001とかJR−100とかベーシックマスターJrとか、
誰も見てないようなページで埋もれていった作品も数多くありますが、
そんなページにこそキラリと光る作品があったりするものです。
というわけで、いってみましょう。
なお、画像は基本的にベーマガからの取り込みです。
クレームがあれば削除いたします。
No.1 | 「ウジャウジャCOUNT」 |
for PC-8001 | 住吉 政英 |
PC−8801・8001プログラム大全集II p113〜114
これは驚きの作品である。画面上にはおきまりのように敵キャラらしきものが
ウジャウジャ動いているのだが、このゲームでは、そのキャラから
「逃げる」のでもキャラを「倒す」のでもなく、なんと「数える」のである。
これはなかなか、ありそうでなかった設定である。
田尻智がどこかの雑誌で「ゲームのルールは『動詞』で決まる」といったことを
言っていたが、「数える」というのはもしかしたら他に誰もやってないんじゃないだろうか?
この作品にはかなり刺激を受けました。
「全体の中から、ある性質や法則を見抜く」ゲームを作るというのは、
今の僕のテーマでもあります。
No.2 | 「IQ星人」 |
for PC-8001 | 平田 篤志 |
1989年6月号 p147〜p149
画面上からエイリアンが迫ってくる。ただちに迎撃せよ!という、よくあるタイプの
ゲームかと思いきや、これが全然普通じゃない。まず、敵がわけわからない。
「■■■」とか「●○●○●」とか、果ては「ニャー」とか「ブー」とかの文字列まで。
そしてその倒しかたがさらにイカす。例えば「
■■■」だったら"pink"、
■■■」だったら"blue"と入力して倒すのである。
ちなみに「ニャー」は"cat"、「ブー」は"pig"と入力して倒す。
敵の種類と倒しかたは各面ごとに違い、
それを推理しつつ素早い入力をして敵をやっつけていくのである。
そしてきわめつけは、自機の移動方法。左に動きたければ"left"、右に動きたければ
"right"と入力すれば動けるという親切設計。ようするにプレイヤーにできることは
ただひたすら単語を入力することだけなのである。アクションゲームに
コマンド入力方式を持ち込んだ前代未聞のアホなゲーム。ちなみにかなり面白い。
98にも簡単に移植できるので、持ってる人は打ち込んでみるべし。
作者の平田氏はこのほか、「JR東日本戦線」というナイスなゲームも作っている。
No.3 | 「幽霊夜話〜長虫〜」 |
for PC-8001 | 旦部 幸博 |
1988年11月号 p165〜p167
なんかPC-8001ばっかりですが、僕がP8ユーザーのためどうしてもこうなってしまいます。
どうかご容赦を。
さて、この旦部さんというのは、僕が個人的にファンな投稿者です。
なかなか、どの作品も独創性に溢れていて、目立たないがいい仕事(仕事じゃないが)
をしていると思います。とはいえ、もう10年以上も前の話になりますか。
この「幽霊夜話〜長虫〜」は、「長虫(いわゆる蛇キャラ)」の動きをまず最初に見せて
くれるので、それを踏まえて、うまくその上に乗ることで移動し、面をクリアしていくという
ゲームです。
「あらかじめ動きがわかっている」というのが特徴のこのゲーム。
僕が当時考えていた「タイムマシンを利用したゲーム」に使える!と思ったものです。
つまり、あらかじめ未来に何が起こるのかを見せておいて、そこからどういうアクション
を起こしていくか・・・という判断を問うゲームにすればいいじゃん、となったのですが、
結局うまくいきませんでしたねえ。おもしろいルールを作るというのは、なかなか難しいもの
です。
No.4 | 「Loofah!」 |
for PC-8001 | 旦部 幸博 |
1986年7月号 p146〜p148
これも旦部さんの作品。「左右にしか動けないPhee君」と「上下にしか動けないNie君」を
それぞれ操作し、お互いを押して運ぶことによって移動させて敵(糸瓜)を倒していくゲーム。
これも「自分どうしを押して動かす」という、コロンブスの卵的なアイデアが光っていた
作品。とはいえ、打ち込んでないのでどれくらい面白いかはわからなかったりする・・・。
No.5 | 「HEAVEN CHRISTMAS」 |
for ベーシックマスターJr. | 鈴木 浩 |
1988年1月号 p76〜p77
上から雪が降ってきて、それを避ける・・・というところまでは何の変哲もない
ゲームだが、違うのはここから。降ってきた雪は地面に積もってゆき、
プレイヤーはその上をうまく移動し、最終的に天国の神様に会いにゆく・・・
というなかなかうまい作品なのである。
これと似たルールで、かなり後に
PC-9801の「たぬき王国のわな」という作品が確かあったと思うので、
興味のある人はそれをやってみるといいだろう。とはいえ、やっぱり
ゲームとしてはだいぶ違うだろうが。
No.6 | 「反射神経衰弱」 |
for PC-8001 | 米マガ |
1988年9月号 p166〜p167
「反射神経衰弱」というタイトルは、なかなかうまい。
このタイトルから、神経衰弱のカードが動き回って・・・というゲームを
想像した私であったが、実はもっとオーソドックスなゲームで、飛び回る
ボールを避けながら神経衰弱をしていくというもの。とはいえ、タイトルが
おもしろいのでいちおう紹介してみた。
No.7 | 「ピクポク」 |
for PC-8001mkII | 小川真太郎 |
1986年4月号 p144〜p145
画面上に「1」から「9」までの数字があり、プレイヤーがテンキーを押すと、
ピクポク(自機)は画面上の対応する数字に向かって進みだす。この性質を
うまく使ってモンスターをかわし、ターゲットをとっていくというゲーム。
地味ながらも、なかなか見事なアイデアである。とはいえ、まだやったことが
ないのだが・・・面白そうだし、リストも短いのでこんど打ち込んでみようと
考えている。
ちなみに、ベーマガ200号記念特別プログラムノミネートの
「Sheep Upkeep in Keeps -vs 音成牧場-」のルールがわりとこれに近いので、
興味のある人はやってみるといいだろう。
No.8 | 「MIG & MOG」 |
for X1 | 松本 賢一 |
1985年5月号 p141〜p142
それぞれ逆方向に動くミグとモグを操作して、オセロ
(最近はリバーシともいうようだ。ちなみにオセロはツクダオリジナルの
登録商標で、商品名に勝手に使うとまずいらしい)
のコマをはさんでひっくり返す。画面もキレイで、非常に面白そうであった。
ちなみにPROGRAMMER OF THE MONTHに選ばれており、Dr.Dも「市販ソフトに
匹敵する」とベタ誉めであった。後に数多くの移植版が出ていた。
しかし、これも一度もやったことがない。うーむ・・・。
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