第7章

もちろん、すべてのゲームが完成までこぎつけたわけではなく、 その中には、企画倒れに終わったもの、プログラムは書いてみたものの 結局打ち込まなかったもの、あるいは打ち込んではみたものの 結局バグが取れなかったり最後まで作れなかったりして終わったもの、 つまらないので途中で開発を打ち切ったものなど、さまざまな 幻のゲームが存在したのである。 こういうプログラムとして、俺的には「MAZE HOUSE」や後述の 「GOLD ATTACK」などが印象深いが、他にも いろいろな日の目を見なかったプログラムがあったのである。

 例えば、BASICを覚えたてのころに、ロードランナーを作ろうとしたことが あった。なんか、いちおう自分の移動のところなど、簡単な処理は ちゃんと作ったが、梯子とか敵の移動のアルゴリズムなどは、 もうわけわからないので、かなりやけくそで適当に作ったものだった。 結局、まずプログラム自体がまともに動かなかったので、これらの部分が まともだったかどうかはわからなかったのだが。結局全然できないまま、 どこにセーブしたかも忘れていつしか消えてしまった。

 「MONKEY KONG」は、たぶん前述の配列変数を覚えたてのころに 作ったものだと思うが、なんとか「あるゲーム」を実現してみようとしたものである。 転がってくるタルを飛び越えていくゲーム。 「自分が1回動くたびにタルの1つが動く」というプログラムに していたため、タルが30個とかになると30個のタルがすべて動く間に 自分が30回動けたりして、ゲームにならなかったので開発を中断、 結局後で間違って消してしまった。

 「ICE LAND」は本当は名前をつけていないのだが、仮にこう呼ぶ。 これは、大体動くようになってほぼ完成、となったときに 間違ってリセットボタンを押してしまい、 そのまま帰らぬプログラムとなってしまったものである。 これは、ある昼下がり、「ゲーム作りたいけど、何かおもしろいアイデアない かなー」とか思いながらなんとなく作ったゲームで、ようするにペンゴで あった。ただしダイヤモンドブロックなどはなく、ただ氷を飛ばして (「押して」だったかも。)エイリアンを やっつけるというだけのものである。とはいえ、惰性で作ったにしては わりと面白かったので、あのミスは悔やまれるところである。

 「モンスターアタック」(という名前だったと思うが、よく覚えていない) は、モンスター同士をはち合わせさせるとやっつけられるという、 思いついたとき(ちなみに、掃除の時間だった。)はすごい面白そうに 感じたゲームであったが、家に帰って早速プログラミングしたところ、 なんかいまいちゲームにならなかったので、あきらめてそのまま電源を 切ってしまった。

 「ドラエモン2」は、「ドラエモン」(後述)の続編であるが、 内容は2人用ということ以外は似ても似つかないもので、ようするに バルーンファイトをPC−8001で実現した(してないが)ものであった。 プレイヤーはドラえもん(青い丸)を操って、相手のドラえもんの タケコプターに体当たりする。 みごと相手のタケコプターを落とせば勝ちである。このゲームは、 目を怪我して病院に通院していたとき、ヒマつぶしに 待合室でノートに書いてプログラムしていたものである。 結局プログラムは完成したが、打ちこむのが面倒なのでそのままにしてしまった。

 …とまあ、こんな感じだが、もちろんこれ以外にも「神経衰弱」 「移植版MIG&MOG」など、さまざまな作品が闇に消えていったのであった。 あと、アイデアを思いついて完成予想図(画面)など書いてみたものの、 結局作らなかったというものも結構あった。作品を完成させるというのは、 並大抵のことではないということを垣間見せる事実である。


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