番組部門の歴史

県高校放送コンテスト編

 秋の県高文祭に比べて,春の県高校放送コンテストは歴史が古く,今年(2019年)で第54回を迎える。手元にある高等学校教育研究会視聴覚教育学会会報誌の記録から最も古い記録を辿ってみると1971年NHK徳島放送局スタジオを会場に第6回県高校放送コンテストが開催され,アナウンス部門27名,朗読部門30名に加えてラジオ番組制作部門に本の作品がエントリーし,小松島高校の「古いものと自然」という作品が努力賞を獲得している。

 その後,1976年・77年大会ではラジオ作品9本がエントリー。1978年県大会で第位に輝いた鳴門高校の「がんばれ生徒会長」が全国大会でも第4位に入賞した。これが本県としては番組部門での初の全国入賞であり,いまだにこの記録を上回る順位は出ていない。ラジオ部門ではその後1986年大会の徳島商業高校「こま犬が赤くなった」,1998年大会の富岡西高校の「きこえる」が全国大会でそれぞれ位入賞した他,小松島高校・城ノ内高校・富岡東高校が準決勝進出や入賞を果たしている。県大会における作品数もここ数年は10本以上出品されるようになり,競争率の高い部門として定着したようである。しかし、全国大会での入賞は2002年以来20年以上出ていないので,今後の奮起を期待する。

 一方,テレビ部門は1973年第8回大会で初めて作品が出品され,鳴門工業高校の作品(作品名不明)が努力賞を獲得している。その後長い間停滞状況が続いたようであるが,1990年大会より城ノ内高校が制作を始め,1大会で3作品を出品する等意欲的な活動を展開した。また、1998年大会からは阿波高校が創作ドラマの制作に着手し,1999年に制作した「ある不登校生の独白」は全国大会でも制作奨励賞(創作ドラマ部門第11位)に輝き,県勢として初の全国入賞を果たした事は県高校放送界に大きな喜びと感動を与えた。阿波高校はその後2010年にもテレビドキュメント「リンダリンダリンダ」を制作し,全国大会で2度目の制作奨励賞に輝いた。一方,阿波高と並んで優勝回数第1位の徳島市立高校は,全国大会において,2016年のテレビドキュメント作品「47通目の手紙」,2017年の創作テレビドラマ作品「好感度めがね」が制作奨励賞に輝き,県勢初の連続入賞となった。徳島北高校も2000年よりテレビドラマ等の制作に着手し,県大会では優勝5回と,阿波高校・徳島市立高校に次ぐ優勝回数を記録している。城東高校は2019年に制作した「あの太陽に向かって」が番組部門で同校初の全国入賞となり,県としては5度目の入賞となった。その他、富岡東・小松島・脇町・城北などが順次制作を開始し,近年では1大会に7〜9本の作品が出品されるようになり,ラジオ部門と並んで大きな盛り上がりを見せている所である。

 この他、全国大会では研究発表部門があり,過去には徳島市立高校が1980年大会で全国第2位になった他,鳴門高校と聾学校が計3度の入賞をしている。その後,1992年の鳴門高校の参加を最後にしばらく参加校が見られず県大会の部門としては自然消滅していたが,2017年に徳島市立高校が25年ぶりに参加し,部門が復活した。今後も各校の積極的な取り組みを期待する。

県高文祭編

 現在,県高等学校総合文化祭放送部門として実施されている本大会は,徳島県の高等学校教育研究会視聴覚教育学会会報誌によると,1995年まではNHK徳島放送局や眉山会館,教育会館を会場に「徳島県高校放送コンテスト新人大会」として県視聴覚教育学会の運営の下に実施されていたようである。3年生部員が参加しないためか,アナウンスや朗読は30〜40名と現在よりやや少なく,番組制作部門も毎年1・2校しか出品がなく,0の年もちらほら見られる。

 1999年に本県で第19回近畿高等学校総合文化祭が開催されることが決定し,1996年より徳島県高等学校文化連盟放送部門が発足。運営主体も視聴覚学会から高文連放送部門に移行した。初年度には番組制作部門で2校2作品が参加。城ノ内高校制作のラジオ作品「カンカンアドベンチャー」が「入賞」を受賞している。 ラジオ部門は他の番組作品に比べて制作が容易であるため,その後多くの学校が制作に着手し,近年は1・2年生主体の本大会で参加作品が10作品を越える年もあり,身近な制作活動として定着している。なお、2016年からはドキュメント部門の応募を廃止し,創作ドラマ作品のみの部門となっている。

 春の大会のテレビ部門に当たるビデオメッセージ部門には,1997年に初めて作品が出品され,城ノ内高校の「オペレーションin吉野川」が「入賞」を果たした。翌年は資料が残っていないので不明だが,1999年には阿波高校がテレビ部門で「入賞」。2000年からは徳島北高校が7年連続最優秀賞を達成し,2006年に制作された「北の大地に息づく徳島」は全国高文祭において優秀賞(ベスト8校のうちの1校)を受賞。NHK杯を含めて初めて全国の頂点に立った。続いて,2008年の全国高文祭富山大会で特設部門として実施された映像部門で,富岡東高校制作の「日常」が全国第4位に当たる優良賞を獲得した。2022年には城東高校制作の「0ウェイスト」が優秀賞を獲得し,同校で初の全国制覇となった。また、近年は徳島市立高校や富岡東高校,城北高校が全国高文祭でブロック別上位に入り,県勢の制作技術は年々全国でも評価されるようになってきている。

 部門としては、従来のラジオ部門・テレビ部門に加え、2003年よりAP部門を新設した。前年までは秋のラジオ部門の最優秀校を翌年の全国高文祭AP部門に推薦していたが,県大会にも対応した部門ができた。これに伴い,ラジオ部門の入賞作品は,次年度のNHK杯への推薦選考対象となるよう規定を改め,全国大会への道を残すこととなった。 2002年に制作された徳島北高校の「ガンジーと呼ばれた男」は全国高文祭で特別賞(第4位)に輝き,県勢初の入賞となった。また、2011年阿波西高校制作の「情熱のゆでたまご」は優秀賞(ベスト4校のうちの1校)を獲得。VM部門に続いてAP部門でも全国の頂点に立った。なお,AP部門は2021年度より全国大会の部門変更に伴い,音声のみのAM部門として実施している。


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