春先になると鼻がムズムズしたり、目がチカチカ痒くなり、杉林や山道を通るだけで、くしゃみ・鼻水が止まらなくなりますね。
私も学生時代、京都の山奥で生活するようになってから、鼻炎が出始めました。
風が吹くと学校の裏山が杉花粉で黄色くなり(京都・北山杉の産地)、今でも思い出しただけで鼻がムジムズしてきます。
では、何故春先に鼻炎が悪化することが多いのでしょうか?
花粉はほぼ1年中飛んでいます。また、化学物質やホコリに反応して鼻炎症状が現れるのも、この時期が一番多いのは何故でしょう?
花粉症の西洋医学的な説明は、他のホームページで見られますので、そちらをご覧頂くとして、東洋医学から診た花粉症・鼻炎についてお話しましょう。
花粉症に効くツボ!
手の三里(さんり)・・・肘を曲げるとシワができます。そのシワの端が曲池(きょくち)というツボです。
そこから約3センチから3・5センチ手首よりにコリコリした凝りがあります。
治療院では鍼やお灸をしますが、ご家庭ではこの凝りをもみほぐしましょう。
迎香(げいこう)・・・鼻の一番広がっている部分の外約8ミリほど外側。
指でこすったり、押さえたり、マッサージすると鼻が通ってきます。
攅竹(さんちく)・・・眉の内側で骨の窪み。
親指でゆっくり心地よい圧をかけて指圧しましょう。
のぼせて目のまわりがボーッとしてる時に効果的です。
頭の前頭部・・・・・のぼせてここに熱が溜まるとブヨブヨになります。
あちこち押さえてみて気持ちのいいところを指圧しましょう。
花粉症対策
・引き金となる花粉を避けるために、マスク・めがねを使用しましょう。
・常に飮食に気を付けましょう。特に冬場は胃腸を温めるものを摂るようにして、冷たいアイスやビールはなるべくがまんしましょう。
・水分の摂りすぎに注意しましょう。
よく「アルカリイオン水を1日2リットル飲めば・・・」と聞きますが、東洋医学的にみると、水分の摂りすぎは「痰飲」を増やす恐れがあるのでよくありません。
・霧吹きを携帯して、室内などで使用しましょう。
霧吹きから出た水滴に花粉が吸着されて、空気中の花粉濃度が下がります。
※花粉症の症状が現れてからの対策では遅い!
秋・冬の養生(胃腸をイジメない)が大切ですが、ひどい症状が出たら下記の「手三里」にお灸をしましょう。
花粉症は胃腸の不調和
花粉症・鼻炎で一番多いパターンは、鼻や目の周りに熱が溜まったために起こります。
目や鼻の周りには胃腸のツボが通っています。胃腸の不調和によってオーバーヒートした様な熱が上に上り、ボーっとのぼせた感じになったり、花粉症・鼻炎を引き起こします。
冷たい物の取りすぎや、食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎは胃腸に負担がかかります。処理しきれない水分は、オーバーヒートした熱と一緒になって「痰飲」(粘りけのある水分)を作って、ますますツボの通り道の流れを悪くします。
また、上った熱により、鼻や目の粘膜に潤いがなくなり、花粉が付着しやすい状態となり、症状が出ます。
春先に悪化するのは「温病」
冬の間にしっかり休んでエネルギーを蓄えていないと、春になっても活動的になれません。
それでも季節の気に応じて、弱いエネルギーは活動を始めるために、身体の不調を訴えたり、熱病にかかったり、鼻炎も起こります。
東洋医学ではこれを「温病」といい、治療ではエネルギー不足を補い、症状の現れているツボの通り道の流れを良くしてあげて治癒に導きます。