当院の治療方針  
 
1伝統医術の力

鍼灸による治療を東洋医学、伝統医術などといいます。この医学に関する最も古い書物は2500年前に書かれています。
その後も様々な書物が中国や日本で書かれました。それはそれは膨大な量です。
私たち鍼灸師は最も古い書物はもちろんのこと、それ以降の書物も勉強しています。
私の治療経験は23年ほどですが、その後ろには伝統に支えられた大きな力が存在しています。
鍼灸治療を伝統医術と言うのは、このような理由からです。

伝統あるものは、その手法を守り、生かすことで最大限の力を発揮する
と考えます。
先人たちが残してくれた伝統医術を柱に、患者さん一人一人に最適な治療を提供致します。
現代の医療や科学技術の進歩には目をみはるものがあり、難病といわれる病気の治療も進んでいます。

鍼灸治療も高度な専門機関(鍼灸大学等)で科学的に研究されていますので、科学的に鍼灸の効き目が
解明される日もあると思います。
この「科学的に・・・」は専門の先生にお任せして、当院では、伝統的な手法を用いて「証」を立て、治療するようにしています。

治療院を見ていただけたらお気づきになると思いますが、低周波治療器等はありません。
はりもぐさで皆様の健康生活にお役に立てればと願っております。
 
 
2伝統医術の身体の診方

どのような病気の場合でも、望診・聞診・問診・脈診・腹診・触診・切診といった独特の診察法により、
体質や現在の病理状態を見分けます。

※望診とは

 顔や皮膚の光沢などを見て体質や病気を判断する方法

※聞診
 声の力や咳の出方などを聞いて病気を判断する方法

※問診
 病理に関連する症状を聞いて病気を判断する方法

※脈診
 左右の手首や足首のところの脈を診て病気を判断する方法

※腹診
 胸から腹部の状態を診て病気を判断する方法

※切診
 経絡(エネルギーの流れる道筋)を触診して、その状態によって病気を判断する方法
以上のような診察方法により、その人に適した鍼灸治療を行います。
その人の状態に応じた治療が出来るかどうかは、治療家の診断技術と治療技術の問題です。
ですから、常に技を磨く努力を怠りません。
 
 
3伝統医術が効く理由

鍼灸治療は、人体の気・血・津液(しんえき)の循環を良くして病気を治すと言われています。

※気とは

気というのは「元気」の気、「気分が良い」の気のこと、「生体エネルギー」あるいは「病気に対する抵抗力」と言い換えてもよいと思います。
また、「自律神経の働き」だと考えても大きな違いはありません。

伝統医術は気を整えますから、不眠、イライラ、不安感、動悸、喉の詰まり感、気鬱などの不定愁訴や、食欲不振、
便秘、下痢、腹痛、胃痛
などストレスが原因で起こる病気や、疲れやすい、動悸、息切れなど疲労からくる病気にも効果があります。

伝統医術によって気の流れが良くなれば、気分が明るくなり、皮膚の光沢も良くなり、年齢より若く美しくなります。
毎朝、鏡を見ていると、「今日はむくんで疲れた顏だな」とか「肌の艶がいい感じ」なんて思ったことないですか?
女性の場合、お化粧のノリがいいとか、細かいシワなどでも、日によって変化しているはずです。
気の巡りがよく元気になると、お肌のキメも細かく艶もよくなり、シャッキリしてきます。
体の中でも同じ事が起こり、自律神経も正常な働きになり、内臓も気が充実してよく働くようになります。
 
 
人間を木に例えてみましょう。
しっかり根を張り木そのものが元気なら、枝葉も元気です。
根が弱って地中の栄養分(人なら飲食物)を充分吸収できないと、木も弱り枝葉にも異常が現れます。
この時、傷んだ枝葉だけ治療することも可能(頭痛・肩こり・腰痛など局所治療)ですが、木そのものを元気に
して、尚かつ傷んだ枝葉も治療する全身治療(経絡治療)を行うと効果が長続きし、体質改善にもなります。 
 
                         
※血とは
血とは、現代で言う「血液」や「ホルモンの働き」のことと言えます。

伝統医術は血に対して独特の考え方があります。
ひとつは血が少なくなった状態、これを血虚といい、今で言う貧血や低血圧も含まれます。
これは冷え症不妊症の最大の原因です。
伝統医術によって血が多くなれば冷え症が治り、妊娠しやすくなります。

もうひとつはH血(オケツ)と言われる状態で、循環の悪くなった血液が停滞した状態です。
やはり冷えのぼせや不妊症の原因になります。
また、各種の皮膚病、難病、婦人病の場合に、H血が原因になっていることも多く見られます。

伝統医術の治療を続けていると、血液循環が盛んになり、H血が少なくなって様々な病気にかかりにくくなります。
血液循環が良くなれば筋肉の疲労も取れます。ホルモンのバランスも良くなりますし、何より全身に栄養が行き渡りますので、腰痛、肩こり、五十肩、などや、坐骨神経痛、顔面神経麻痺、高血圧症などにも効果があります

 以上のように伝統医術は様々な病気に効果があります。ただし注射のように化学薬品を注入するような治療ではありませんから、すぐに効果が現れない場合もあります。言い換えると、生体エネルギーを旺盛にして、病気にうち勝つ体力をつけるのが目的ですから、慢性病の場合はすぐには効果が現れないのです。
 しかし、どのような慢性の病気でも希望を捨てることなく、根気よく治療を続ければ治る方向に向かいます。
伝統医術は治療を辞めた後も効果が持続します。病気に対する抵抗力を旺盛にしていますから、例えば1年間治療を続ければ、後の1年間も元気でいられるのです。.
 

4当院の治療方針

 当院では、先に述べたような伝統的な診察方法によって、その人の病理状態を見極めます。
これを「証を立てる」と言います。治療して効果のあがる証拠を見つける、というほどの意味です。
そして、証に随って治療しますが、当院では以下のような方法と考え方によって治療を進めていきます。

※現代医学の診断・治療が優先される場合
 
 伝統医術は様々な病気に効きますが、病気の種類や症状によっては現代医学の診断・治療を優先しなければいけない場合があります。
そのような時は、最も適切だと思われる専門の先生にご紹介いたします。
その後、専門の先生の治療を受けながら、鍼灸治療で出来る限りの治療をおこないます(癌の場合を例にしますと、癌そのものの治療は専門の先生に診ていただき、抗ガン剤による副作用や、不定愁訴、痛みに対して鍼灸治療を行います)。

※鍼灸治療の進め方と注意

@鍼灸治療は基本的に全身に施します。したがって、治療しやすいように衣服を脱いでいただきますので、
  短パンや薄手のシャツを着用していただくと便利です。

A鍼灸治療を受けてすぐに楽になることもありますが、通常は数回の治療が必要です。
  頑固な神経痛などは数10回の治療が必要なこともあります。病気によって、治療日数が変わってくるのは当然  です。

B治療に用いる鍼は全て使い捨てですので衛生面でも安心です。なお、鍼は決して痛くありません。痛くないよう   にするのがプロです。

C治療後は一度に血液循環が良くなりますから、少し身体がだるくなることがありますが、心配ありません。身体が  リラックスしている証拠で、その後で楽になります。治療後は少し休んでいただくのが理想です。

D治療後1時間もすれば入浴していただいて結構です。
  マッサージを受けた日は、効果が薄れるので入浴を避けてくださいと言う先生もありますが、鍼灸治療はもっと   深い部分(深い鍼をするのではなく、浅い鍼でも身体の深い部分に作用していると言う意味)に作用しています  ので、入浴していただいても構いません。

Eお酒を飲んだ後の治療は出来ません。
 
 
参考図書
・日本鍼灸医学 経絡治療・基礎編・・・・・・経絡治療学会編纂
・日本鍼灸医学 経絡治療・臨床編・・・・・・・経絡治療学会編纂
・臓腑経絡からみた薬方と鍼灸第五巻・・・・谷口書店
                             池田多喜男 口述  池田政一 編著
・古典の学び方ー素門・霊枢・難経からー・・・医道の日本社
                             池田政一 著
・症例別ー伝統鍼灸治療法・・ ・・・・・・・・・・医道の日本社            
                             池田政一 著
・わかりやすい小児鍼の実際・・・・・・・・・・・源草社
                             谷岡賢徳 著
・東洋医学全書ー家庭漢方ー・・・・・・・・・・・・ミヤケ出版
                           池田政一執筆・井出透、曽我部紀行監修・椿野史師指導
・ステロイド依存・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つげ書房新社
                             深谷元継 著
・アトピー性皮膚炎とステロイド離脱・・・・・・医歯薬出版株式会社
                             深谷元継 著
・気の医学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・星雲社
                             井村宏次 著
・気の医学2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・星雲社
                             井村宏次 著
・分娩台よ、さようなら・・・・・・・・・・・・・・・・株式会社メディカ出版
                             大野明子 著
・子供の「脳」は肌にある・・・・・・・・・・・・・光文社新書
                             山口創 著
・その他