一目で体質を見抜くポイント
 相手から少し離れて(2〜3メートル)顔のどの部分に特徴があるかを感じる。
例えば目なら肝、口なら脾、鼻なら肺、耳なら腎タイプ。
A肝の陰タイプ
 筋肉質でやせ形、目が小さいか切れ長、目の白目の部分が青っぽい。
 耳の中輪が飛び出ている。
 性格的には、理知的で物事をテキパキ片付け、よく気を遣い、気配りもで  きます出来ます。
 また、繊細な長所を生かしてアーティストにも向いています。
 歌手の中森明菜、横山やすしなど個性的な芸能人や、コンピュータ関係者 に多い。

日常生活で注意すること

 この体質の人は理知的で何事もキッチリかたづけるので、体調の良いとき は素晴らしい働きをします。
 
B脾の陽タイプ
大食漢で肥満タイプ。口が大きく、唇も厚いのが特徴。
性格的には、陽気で明るく、よく喋り、歌好きです。
宴会なども大好きで、胃に熱が多い所に酒が入りますので身体が熱くなり、すぐ服を脱ぎたがります。
宴会で裸踊りをするのは、このタイプと思って間違いありません。
このタイプの人は、胃に熱が多いので大食し、下痢しても余計な熱が抜けるのでさっぱりします。
口が大きく、歌も上手な人が多いので、歌手に多い。美空ひばり、森昌子

日常生活で注意すること
 体調を崩すと、オーバーヒートしたような熱を胃腸に持ちます。口内炎ができやすくなり、大量に飲み食いしたり、便秘にもなり やすい。やたら喉が乾いたり食欲が出てきたら、胃に熱が増えてきているので黄信号です。
 健康の秘訣は、三度の食事をキッチリ摂り、量は過不足なく、間食や夜食はやめましょう。
 野菜中心で、甘い物、肉類、脂っこい物は避けます。
 運動は苦手、カラオケ健康法や緩やかな動きの太極拳やヨガが向いています。

体調を整えるツボ

 足の「三里」
C脾の陰タイプ
 このタイプは口が小さく、唇も薄い。胃腸が冷えやすく消化吸収が弱いために 常に小食です。
 性格は思慮深く、慎重に物事を考え、記憶力も抜群で受験勉強は苦にならず、良い成績をあげます。
 教師や公務員に多い。
 体調が良いと、思慮深い面が発揮され、他人に的確なアドバイスができるが、体調を崩すと、食欲はなくなり、身体がだるくて動けなかったり、ウツウツとし てしまいがち。
 本人にやる気があっても身体がついてこずに、周囲に誤解を 与えてしまうこ ともあります。
日常生活で注意すること
 健康の秘訣は、消化の良い温かい物を食べて、常に胃腸の働きを良くすることと、充分な睡眠をとるようにすることです。
 スポーツは疲れるだけで、激しい運動や空きっ腹で行う健康法はすべて向きません。散歩かゴルフなら合いそうです。
 何もせず、何も考えずみゆったりした気持ちで音楽を聴くのが一番です。

体調を整えるツボ

 背中の「脾兪」「三焦兪」足の三陰交」にお灸をすえると身体がシャキッとしてきます。
E肺の陰タイプ
 色白で体毛が多いが、薄い産毛なのが特徴です。
 子供に多く、成長と共に陽タイプになるのが普通ですが、大人になっても陰タイプのままですと 行動力のない、物静かで病弱な印象を受けます。
 性格的には感受性が豊で、理論だった考え方をするため、アーティストや思想家に多い。
 大人になっても、どこか子供っぽい雰囲気があり、童顔と感受性豊かな人柄から、人に信頼さ れる。
 体調を崩すとメソメソ・シクシクする。特にカゼをひきやすく、見た目の線も細いので、子供は特 にイジメの対象となりやすい。
 体力的に弱いので芸能人やスポーツ選手には少ないが、マラソンで活躍した増田明美選手は 努力によって、陰タイプから陽タイプになった典型的な例です。

日常生活で注意すること

 カゼをひきやすく、症状はひどくないのですが、なかなか治らなかったり、喘息などの持病があ ったりします。

F腎の陽タイプ
 色黒、筋肉質でテカテカ光おじさん。または会社の社長、重役タイプ。
 特徴は耳が大きく、俗に言う福耳の持ち主。
 意志が強く、政治家、警察関係、経営者や宗教家に多い。
 性格的には、意志が強固で、一度決めたら粘り強くやり抜く気力と体力の持ち主です。
 精力絶倫で少々のストレスや緊張は平気です。
 政治家では元総理大臣の岸信介、スポーツ選手では江川卓がこのタイプです。
G腎の陰タイプ
 太っている人も痩せている人もいる。
 肌にツヤがなく元気がない、みみが小さいのが特徴。
 性格的には、意志が弱く、飽きやすく、恐がり。
 しかし、天才肌の人もあり、学者や発明家として名を残す。

日常生活で注意すること
 生まれつき虚弱で食欲もなく、気力、体力もないので、食べたから元気にな ることもなく、運動しても疲れるだけです。
 身体を冷やすことが特によくなく、水泳は向いていません。

体質別健康の秘訣

@肝の陽タイプ
筋肉質で肩幅も広く、ガッチリした体格。
目がグリッと大きいのが特徴
性格的には太っ腹で、滅多なことでは怒りませんが、体調が崩れるとイライラして怒りっぽくなります。
肩こりや筋肉痛になりやすい。
まさしく、政治家向きで、王監督や西川きよし、千代の富士がこのタイプです。
日常生活で注意すること
肝の陽タイプは無理さえしなければよい体質です。
会社のトップや重要な役職に就いている人は、なるべく頭を休ませること、細かいことはすべて部下に任せましょう。
自分が先頭に立って頭を使い、夜更かしする、などというのが一番良くありません
しかし、無理を続けると急に弱気になり、ひどい場合は仕事ができないくらい落ち込んだり、被害妄想に陥ることもあります。 
また、身体が冷えやすいので、冷たい食べ物や飲み物は控え、無理なダイエットは厳禁です。
もし、体調を崩して落ち込んだり、逆にカムシャラに仕事をしたくなったときは黄信号!
何もかも投げ出す気分で仕事を中止します。しばらくは仕事のことを忘れて身体と頭を休めましょう。
 このタイプの人は好奇心も旺盛で、興味を持つとすぐ夢中になります。
仕事でも遊びでも夢中になりやすいので「はまり過ぎ」に気をつけましょう。
 このタイプに向く健康法は、激しい運動よりも、ゆっくりスジを伸ばす運動が向いています。
ストレッチやウオーキングが良いでしょう。

体調を整えるツボ
背中の「肝兪」「三焦兪」「脾兪」足の「三陰交」
D肺の陽タイプ
 色白でヒゲや体毛が多く、鼻が大きい。
 パワフルで人当たりもよい。精力旺盛だがハゲやすい。
 性格的には陽気でおおらか、キザなことでも照れくさいことでも平気でやってしまいます。
 くったくがないので人に好かれるタイプです。
 芸能人やスポーツ選手に多く、長島茂雄やせんだみつおがこの典型的なタイプです。

日常生活で注意すること

 身体を動かして気の巡りが良いときはパワフルで実力を発揮しますが、じっと座ってのデスクワー クなどで気の巡りが悪くなると体調を崩しがちになります。
 頭を使いすぎると、持ち前のパワフルさがなくなり、愚痴っぽくなったり、カゼをひきやすくなり、高 熱を出したり扁桃腺も腫らしたりします。
 山登りやスポーツが向いていて、ヘトヘトになるまでやっても構いません。
運動して汗をかくとスッキリして、頭の回転も速くなります。
とにかく、汗をかくこと、呼吸を盛んにすることを心がければ長生きできます。

体調を整えるツボ

背中の「身柱」「肺兪」手の「三里」
東洋医学の治療法は、ごく身近なものです。

  
痛いイメージがありますが、縫い針ではないので決して痛くはありません。
また、私たち鍼灸師は専門の学校を出て、国家資格を持ったプロですから、痛みを感じさせることなく、
鍼を刺します。
 
一口でお灸と言っても体質に応じて手技を変えます。痕が残るお灸は熱いですし、痕が残らないように
ソフトにすえる方法もあります。
また、最近では痕の残らない、ご家庭で簡単にできるお灸ものもあります。
導引、吐納 
導引とは「気を導く」方法で、自分で気を巡らせるものが太極拳、誰かに押してもらったり、
さすってもらうのが、指圧。あん摩、マッサージです。吐納とは呼吸法の一種で、腹式呼吸やヨガなどが、
これに当てはまります。
漢方薬 
体質や、その時の身体の状態に合わせて、色々な薬草を組み合わせて、内から元気にします。
何でも効く!と謳っている健康食品等とは異なるものです。

 東洋医学には「未病治」=「未だ病まざるを治す」という言葉があります。
病気になる前に、その人の体質を知って、あらかじめ弱い部分を補って元気にすることで病気にならない、
という考え方です。

 全ての人は4つの体質に分類され、体質から少しはみ出した程度の半健康人が多いのです。
皆さんも4つの体質のどれかに当てはまります(一番あてはまることが多いと思われるものが主体質、
次ぎに多いと思われるものが副体質です)。
体質を知ることで、身体の弱点と強味、心の特徴まで解ることがあります。

 東洋医学では「肝虚」や「腎虚」というふうに「虚」という表現をしますが、難しくなるのでここでは「体質」
という表現を使うようにします。
4つの体質は、肝・脾・肺・腎の臓に注目し、その働きが大きいか、小さいかによって決めます。
.※働きの大小は、それぞれの臓が無理がきくか(陽)それとも無理がきかないか(陰)をさしています。
ここでいう臓は、西洋医学の言う内臓ではなく、東洋医学的に見た「働き」を意味します。
したがって「肝の陰タイプ」になったからといって「肝臓に無理がきかない」=「肝臓が悪い」ということでは
ありません。


肝体質
 この体質の人は仕事好きで、精力的にこなします。しかし、イライラしだしたら赤信号!
仕事のことを全く忘れて遊ぶことが健康法になります。
 スポーツはテニス、ゴルフなんでもOKですが、スジを痛めやすいので、ウオーミングアップとクールダウンをしっかり行うことがポイントです。
体調を整えるツボ背中にある「膈兪」「肝兪」手足の「三里」が効果的です。
脾体質
肺体質
 子供の場合、身体が弱いので、つい過保護に育ててしまいがちで、勉強ばかりさせていると、そのままの体質で大人になってしまいますので、運動させるのが一番です。
しかし、いきなり運動させるタイプでもないので、声を出して肺の働きを活発にさせてあげましょう。
カラオケなどで大きな声を出すようにすると、気の巡りがよくなって元気になってきます。
乾布摩擦で外から元気にさせる方法もあります。
 運動は軽い散歩から始めて、ウオーキング、サイクリング、軽いジョギング、ハイキングなど、軽い負荷のかかった持続的な運動が適しています。少しずつ陽タイプに変わっていくのが理想です。

体調を整えるツボ

 背中の「身柱」「肺兪」「三焦兪」
腎体質
日常生活で注意すること
 パワフルな点が弱点につながります。何事にも無理が利くので、中年以降に肥満しやすく、顏がテカテカしてきます。
さらに無理を続けると下半身が冷え、トイレが近くなったり、少し動いても動悸がしたり、足腰も弱ってきます。
健康の秘訣は、適度な運動と過食にならないよう気を付けることと、体力があるので高齢になってもセックスは大丈夫ですが、体力にまかせて無理しないことです。
体調を整えるツボ
腰の「腎兪」「志室」足の「三里」「復溜」
 健康の秘訣は、規則正しい生活を心がけて、睡眠をたっぷりとり、食事は消化のよい温かいもの、量も時間も決めた方が良いでしょう。
体調を整えるツボ
腰の「腎兪」「三焦兪」足の「太谿」