マツオウジ (ヒラタケ科、マツオウジ属)
Lentinus lepideus(Fr.)Fr.

 傘は径5〜15cm、時に25cm以上となり質は強じん、表面は白〜淡黄色の地に淡黄 土色〜暗褐色の燐片を付け、時にひび割れができて白い肉をあらわす。ひだは白色、やや疎、 縁は鋸歯状、柄は長さ2〜8cm、表面は白〜淡黄色で褐色のささくれがあり、上部にはひ だに続く線がある。肉質は白色、松やに様のにおいがある。胞子は10〜11μm、楕円柱 形。初夏〜秋、針葉樹の切り株、用材、または立ち木に発生、材の褐色ぐされを起こす。食 用、ただし時に軽い中毒をする事がある。世界的。
 肉質はかたく締まり、歯ごたえがあり、わずかに松の匂いがする。多少苦味のある物はさ っと湯がくとよい。人によっては嘔吐などの軽い中毒症状を起こす事もあるので、注意を要 する。
 味区分:C
 春ゼミが鳴き出した15〜20日後に春の第1回目が発生する。次に7月に2回目が発生 してくる。秋も10月ころに最後のものが発生している。同じ1本の倒木から3回以上発生 してくる。
 私が食べていただいた人の中では中毒症状を呈した人は1人もいない。特にマツオウジの キノコご飯は歯ごたえもあり、シャキシャキしているのでとても大好評である。吸い物にし てもほんのり松の香りがするので、とても喜ばれている。胞子紋は白色、胞子の量はとても 多い。

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 *胞子は広楕円形で、互いにくっつきよく重なりやすい。大きさは9.8×7.8μm。

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