ササクレヒトヨタケ (ヒトヨタケ科、ヒトヨタケ属)
Coprinus comatus (Muller : Fr.) Pers.

 傘は径3から5cm、初め柄の半ば以上にかぶさった円柱形、のち鐘形になる。表面は淡灰黄色〜淡褐色のささくれ様の鱗片(細長い糸状の菌糸よりなる)でおおわれる。柄は長さ15〜25cm、白色で可動性のつばを持つ。ひだは初め白色、胞子が成熟するに従い淡紅色〜褐色〜黒色となり、ついに液化し、黒インク状となって滴下する。胞子は黒色、楕円形、発芽孔を持つ。春〜秋、庭園、畑地など肥えた土地に発生。腐生菌。世界的に広く分布。食。
 傘が開く前の棒状の物を選んで料理に使う。マシュマロのような口当たりの傘の方が柄より旨い。
 においにも癖がなく、和風、洋風いずれの料理にも合う。グリーンアスパラとベーコン炒めにしたり、ピクルスにして、トマトのムースに添えてみるのも楽しい。味区分:A

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 *胞子は楕円形で中心がへこんだようになっていて、表面は平滑である。大きさは11.2×7.5μm。厚さは2.5μm。菌糸がすぐにいたんで胞子にはりつくので胞子が落ち始めたら、すぐにキノコは捨てた方がよい。

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