クリタケ (モエギタケ科、クリタケ属)
Naematoloma sublateritium(Fr.) Karst.

 傘は径3〜8cm、初めまんじゅう形、のち平らに開く。表面は湿時わずかに粘性があり、 れんが色、周辺部は淡色、初め白色の繊維状の薄膜をつけている。ひだは密、初め黄白色、 のち灰紫色〜チョコレート色。柄は長さ5〜10cm。胞子紋は暗紫褐色。晩秋広葉樹の枯 幹、倒木、切り株に多数束生する。腐朽菌。食。わずかに苦味がある。苦味成分はファシキ ロールF.。主に北半球温帯以北に分布。
 秋も半ばを過ぎて出始めるものが多く、事に晩秋の山間では比較的収穫量が多く、乾燥保 存が出来るが、シイタケのような利用価値はない。柄の肉はかたく締まっていて歯切れがよ く癖のない風味で極めてよいだしが出る。キノコ自体を味わうよりも料理全体に旨味を生か す使い方が適している。特に貝柱を使った広東風のおかゆや炊き込み御飯、パエリャやリゾ ットといった米を使った料理に持ち味が発揮される。多少固い柄はハンバーグなどに刻んで いれるとよい。味区分:A

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 *胞子は広楕円形、平滑、せんべい状で大きさは7.5×4.5μm。

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