KOE1304

マイナンバーへの懸念

2013/04/29  高知新聞「声・ひろば」欄

私たち診療情報管理士は、病院に保管されている患者さんの医療情報を「病歴」として整理・分類・点検し、その質を高めることを仕事としています。また、患者さんの個人情報保護やカルテ開示などにも関わっています。

私は今、国会で審議中のマイナンバー法案に大きな懸念を感じています。法案が成立すると、マイナンバーと呼ばれる番号が市民1人1人に強制的に振られます。そして、このマイナンバーをキーコードとすることで、データベース化されている私たちの様々な個人情報が名寄せされ、プライバシーがいとも簡単に集められるというのです。現在の法案では、マイナンバーの利用範囲は税、社会保障、防災分野に限定されるとのことですが、将来的には医療分野、つまりはカルテ情報や、その他民間分野などへの拡張が射程に入っているそうです。

私がマイナンバー制度でもっとも疑問に思うのは、この制度の基本設計です。生涯不変の番号を個人に与え、その番号はカードに印字・携帯され、必要に応じ提示が求められます。きわめてシンプルで、それゆえ効率的かもしれませんが、その分漏洩やなりすましのリスクが非常に高く、しかもマイナンバーの利用が広まれば広まるほど、情報漏洩時の個人へのダメージは大きくなるのです。

私は病院で患者さんの個人情報の尊さを日々肝に銘じながら働いています。その私の目から見るとマイナンバー法案は、安全管理面で市民の個人情報への敬意を欠く、残念な法案です。


感想・ご意見はこちら:tadashii@nifty.com

「負け犬の遠吠え」 INDEX ページへ戻る

ホームページへ戻る