KOE9612

呑気な原発推進広告

1997/03  高知新聞「声」欄不採用

97年3月11日、東海村の動燃再処理工場で爆発事故が発生。そのわずか5日後の16日、動燃の事故などまるでどこ吹く風の新聞広告が掲載されていた。わいは怒りにかられて高知新聞に投稿したが不採用。まあ確かにわれながら少々偏向していて、あまり新聞に載せられるような文章じゃないよな(^_^;)。

 16日付の本紙に日本原子力文化振興財団の大きな広告が掲載されている。広告によると原発は資源を効率的に利用でき、しかも地球環境を守るうえで有効なエネルギーだそうだ。つまりこういう事である。第一に原発は火力発電のように二酸化炭素を出さないので、地球の温暖化防止に役立つ。第二に核燃料はリサイクルできるので資源が有効利用できる、と。
 しかしちょっと待ってくれ、と言いたい。たしかにウランは二酸化炭素を出さない。だが大量の放射性生成物を出す。プルトニウムなどはマイクログラム単位の量で人が殺せるほどの猛毒なのに国内の原発からだけでもトン単位で出てくる。しかも半減期が2万4千年なので無毒化するのに何十万年もかかる。高レベル廃棄物も同様にきわめて長期間、厳重な管理をしなければならないが、これらの永久的な貯蔵・処分技術はいまだに確立していない。地球にやさしいだなんてとんでもない。現代の環境問題のキーワードは「持続可能な発展」だが、私は原発ほど「持続可能な発展」に逆行するものはないと考えている。
 次に燃料リサイクルだが何をかいわんやである。増殖技術と再処理技術が確立しなければリサイクルは成り立たない。世界中の国が高速増殖炉計画からすでに撤退している。唯一の推進国日本では原型炉もんじゅの一昨年の事故である。商業利用の前途は真っ暗である。そして今月東海村再処理工場でも爆発事故が起き、わが国の燃料リサイクル推進の中心である動燃に対する信頼は地に落ちた。この動燃爆発事故のニュースが連日報道されている最中にこんな呑気な広告を載せる感覚が信じられない。この広告の見出しのとおり、私も言いたい。「考えてみませんか。将来のエネルギー・電気づくり。」
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