MADO9205
黒人のはく製展示はむごい
1992/05/27 京都新聞「窓」欄
バルセロナ五輪のさい、会場のひとつとなった市で「ボツワナ黒人部族戦士のはく製」展示をめぐって色々モメたことについての文章です。
ちなみにこのタイトルは京都新聞側が勝手につけたもので、わいの本意ではありません。
本紙21日付けのスポーツ欄の片隅に、「黒人のはく製展示へ」という、小さな記事が載っています。それによると、バルセロナ五輪会場の一つであるバニョラス市の博物館では、1918年から「ボツワナの黒人部族戦士のはく製」を展示しており、五輪期間中の展示をめぐって、問題になっているとのことです。
同市では、昨年投票を行い、展示公開を決めたとのことであり、その経過、決定の趣旨について非常に気になるところですが、AP電のこの記事は、それ以外のことは何も語ってくれません。
思うに、人間のはく製を「製作」し、それを「展示」しようという感性とは、一体何なんでしょう。おそらくは、文化人類学的興味から行われたことなのでしょうが、一人の人間に対する仕打ちとして、あんまりなのではないでしょうか。
思わず、ナチスがかつてユダヤ人に対して行った行為を連想してしまいます。異教徒ないし異民族である相手側を、自分たちと同格の人間としてみなさないという点で、両者には共通したものがあると思われます。
バルセロナ五輪のテーマの一つが「コロンブス500年」。つまりヨーロッパとアフリカ・アメリカが出会って500年ということにあるのだと聞いたことがありますが、一体その500年とは何だったのでしょう。
今回の問題は、その質を厳しく問うているような気がします。
感想・ご意見はこちら:BXJ05037@nifty.ne.jp