個人情報保護法とカルテ開示先月、個人情報保護法が国会で可決成立した。この法律については世間ではもっぱらメディア規制の部分に焦点をあてて報道が行われてきたが、実はこの法律、病院にとっては実質的に「カルテ開示の法制化」である。同法によれば五000件を超える個人情報を保有している会社等は「個人情報取扱事業者」と定義される。つまり、五000枚を超えるカルテを保管している医療機関は同法でいう「個人情報取扱事業者」なんである。で、この「個人情報取扱事業者」になると、本人からの情報開示請求に対して開示義務が生ずることとなる。この場合、同法の対象となる医療情報は診療録・看護記録・手術記録・検査記録のほか、レセプトなども含まれるとのことである。
さて、同法の全面的な施行は公布後2年以内とのことだから、対応する側の医療機関にとって、若干まだ時間的猶予があるといえばある。が、重要なことは、このような診療情報をふくむ個人情報開示が、法という強制力を持った<社会的規範>としてすでに確立したということである。そしてその背後には、個人の本人情報に対するアクセス権の定着というものがある。われわれ医療従事者としては、この点をしっかりと心に刻んでおくべきだろう。