「患者さまへのお約束」本文記事でお報せしている通り、「患者さまへのお約束」という新たな取り組みを始めた。
8項目の「約束」を見て「こんなの当ったり前じゃん、いちいち約束するまでもないよ!」とお思いの方もおられるとお察しする。が、この「約束」には以下のような意義があるのでは? と考えているのである。皆さんはどう考えるであろうか?第1に、「約束」はたしかにできて当たり前のことばかり書いている。が、医療従事者に対する世間のイメージは必ずしもそうではない。「診察のときにあいさつもしない医者がどれだけいることか」といった声はよく聞かされる。また、最近はドクハラ(ドクター・ハラスメント)などという言葉もある。ドクハラとは「患者さんに不快感を与え、心に傷を残すような、医者や医療従事者の暴言、態度、雰囲気」を指していうのだそうだ。だから「約束」というかたちで病院内外に示すことによって、職員に対する実効性のある行動規律として機能するようにすることがこの「約束」の狙いの1つである。
第2に患者さまへのメッセージの意味合いがある。「約束」の第6〜8項は、いろいろな質問や紹介状、診療録開示などの申し出について「どうぞご遠慮なく」というメッセージである。右のドクハラとも関連するが、患者さまの中には「こうした依頼をすると医者が気を悪くするのでは?」と考える方もいる。そうしたことを考えなくても良いように、いわば「敷居を下げる」効果を期待しているのである。
第3に、「約束」という言葉自体が患者さまと医療者との間の一種の契約関係を前提としている。患者さまを契約の当事者、つまり医療消費者として想定しているわけで、それゆえ「約束」を掲げるということは、患者さまの消費者意識を喚起するという側面がある。医療消費者としての主体性を持った患者さまと医療者とのパートナーシップがこれからの「患者本位」の重要な構成要素ではないかという発想が、この「約束」の根底には流れている。
とまあ、以上述べたように理屈はいろいろある。問題は理屈通りに受け入れられ、機能するかどうか。今後に期待しよう。
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