IZ-News 03年11月号より
レセプト電算処理システム

先月、レセプト電算処理システムの説明会に行ってきた。レセプト電算処理システム(以下、レセ電システム)とは、従来紙のレセプト(診療報酬明細書)で行ってきた保険請求をフロッピーディスクやMOなどの電子媒体で行うシステムをさしていう。政府のIT戦略(e-ジャパン戦略)を受けた厚労省のIT化グランドデザインの中でも、レセ電システムは「平成16年度までに全病院レセプトの5割以上、平成18年度までに同7割以上」普及させるとの数値目標が示され、電子カルテシステムと同様、厚労省の推進姿勢が際立っている。一見すると、医療政策というよりは、医療関連のIT産業振興政策のように見えなくもない。否、実際そうなのかもしれない。

だが、積極的意味合いがまるでないわけでもないと私は思っている。統一のコードの下に標準化されたレセプトデータが全国の医療機関から提出されるということは、病名・診療行為・診療点数がひとつながりの膨大なデータとして厚労省に蓄積されることにつながる。このような様々に抽出・集計・分析といった操作可能なデータが集積するということは、真に医療現場の実態に見合った医療政策を立案する上での客観的根拠となり得るだろう。もちろん、個々の病院内のデータは、院内のコンピュータに蓄積されるから、病院運営や経営上の意思決定に活かせるという理屈が成り立つ。

このように書くと、なにか現実離れした話のように見えるかもしれないが、案外そうでもないかもしれない。IT化の歩みがイマイチの医療保険の世界と異なり、介護保険の世界ではすでに要介護判定データ・介護報酬データのデジタル化は実現できている。このようにして集積した情報を基にした分析で、例えば痴呆の問題が介護保険制度創設時以上に、政策目標として急速にクローズアップされてきていると聞く。右に述べたレセ電システム普及計画(グランドデザイン)も、そうそう他人事のように眺めてはいられないのかもしれないと思うのだが……。


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