市場開放論者の本性本欄で色々な問題について述べる時、いつも基本的には私(筆者)個人の見解を書かせてもらっている。病院としての正式な見解ではない。で、今回もその例にもれない。
さて、経済財政諮問会議ができて以降、いわゆる「市場開放論者」と医療界の既存勢力との間の論争が絶えない。こうした論争に対し、私はこれまでわりと冷ややかに観察してきた。例えば、株式会社による病院経営の解禁問題にしても、一方は自由競争原理によって医療が向上すると言い、他方は医療を金もうけの具にする輩に医療は渡せないと主張する。だが、私に言わせれば、すでに医療界に競争原理も経営学的手法も入ってきており、企業が病院経営に乗り出したからといって何かが良くなるというふうには思えない。また、参入を拒もうという側の「医療聖職論」的な論調も疑問に思ってきた。マスコミ等でかなりバイアスがかかっているとはいえ、「もうけ主義医療」といった一部医療機関に対する批判が全く虚偽かと言うと、やはりそうは言い切れないだろう。医療法が規定する「非営利」の一点のみでは、医療における倫理性を守る保証とはならないだろう。
だがしかし、最近は私も、これまでのような「中立」の立場ではダメなのでは、と思い始めた。と言うのも、「市場開放論者」の人たちに対し、次第にうさんくささを感じるようになったからだ。彼らは、一見、医療の向上とか、医療保険制度の効率化といった高尚な理論を語る。だが、結局のところ、彼らが本当に目指しているのは、公的医療の縮小と、その結果人々に高まる健康不安の市場化なのではないかと思われるフシがあるのである。つまり、人々の医療費負担増に伴う不安感の増大を利用して、民間医療保険や健康関連商品で稼ごうというハゲタカ根性が見え隠れしているのだ。健康保険本人の自己負担割合が3割になった時、民間医療保険のCMがやたら目についたのは記憶に新しい。現在の混合診療解禁論議でも同様のことが言えるのではないか? どこかの芸人のギャグではないが、こう言おう。
「間っ違いない! 気をつけろ!!」