IZ-News 05年08月号より
一般名処方が目ざすもの

先月24日、日本ジェネリック研究会の学術大会が京都市で行われ、参加してきた。
ジェネリック、すなわち後発医薬品の使用促進をめざすこの研究会の今回の学術大会のテーマの柱のひとつが一般名処方だった。一般名処方とは、病院の外来において医師が発行する処方せんに医薬品の銘柄名でなく一般名(=成分名)を記入することをさす。この処方せんを受け取った調剤薬局は、同一の成分の医薬品の中から先発品にするかジェネリックにするかを患者と相談して決め、調剤を行う。また、こうした一般名処方と似通ったやり方としては、医師が処方せんに医薬品名を記入するさい、医師にとっては馴染みのある先発品名を記入し、そこに「代替調剤可」とコメントを添えるやり方がある。いずれも、先発品と比較して値段の安いジェネリック医薬品の処方を患者が望む場合、そうした選択ができるようにするための医師側の手法である。
※もちろん、最初からジェネリック医薬品の銘柄名を処方せんに書くというやり方もある。

ジェネリック医薬品の使用促進については、医療機関においてはもっぱら病棟における経費節減の手法として注目される傾向がある。DPCのような定額制の導入が進んでいることがその背景にある。外来については、医療機関にとってジェネリック医薬品使用による経済的な"うまみ"は処方せん料の20円増額という微々たるものでしかない。だが、それにもかかわらず、外来における一般名処方(代替調剤を含む)をめぐって実にエキサイティングな議論が前述の学術大会では交わされた。それはなぜか?

それは、とりもなおさず、この問題が「患者本位の医療」のあり方と深く関わっている問題だからだろう。慢性疾患の患者さまなど、長く薬を飲み続ける必要のある人にとっては薬の値段が大きな関心事となるケースがあり得る。"同じ"薬なら安いに越したことはない。一方、同一成分とはいっても、メーカーも製造ラインも違い、さらに流通体制や副作用等に対する対応体制等の相違も考慮するならば簡単に"同じ"薬とはいえない。こうしたことに関する情報提供、そして患者による選択の意思決定支援をどうするか、病院・調剤薬局・メーカー・患者それぞれが共同して真剣に探っていくべきインフォームド・チョイスの大きな問題が横たわっているのである。


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