IZ-News 06年02月号より
臨床倫理学入門

「臨床倫理学入門」(福井次矢他編、2003年)という本を読んだ。

臨床倫理学とは、臨床現場での倫理的問題を考察する応用倫理学の一分野で、考察対象は終末期医療(延命処置に係る決断など)、真実告知やインフォームド・コンセント、臓器移植、遺伝子診断など、多岐にわたる。

本書では、理論面の解説とあわせ、セクションごとに倫理的判断を迫られる具体的ケースがあげられ、そのケースに対する筆者らの判断が根拠と共に示されるというスタイルをとっている。
現場で多発するさまざまな倫理的問題に対応する上でなかなかに参考になりそうだ。

当院にあてはめてみるならば、カンファレンスなどの際の倫理的検討が必要な場合とか、あるいは倫理委員会などでの議論に先立って、本書はまずは考え方のベースを提供する一助となってくれるだろう。

先ごろ行った病院機能評価の自己評価においても「臨床における倫理に関する方針が明確である」という中項目は「2」の評価であり、この分野の改善が当院にとって課題であることが明らかになっている。
そうした意味でもおすすめの1冊である。


mailto:agrito@mb.pikara.ne.jp