DPCデータ活用による二次医療圏シェア分析DPCというと、通常は「診断群分類別包括評価」と訳される。つまり、診療報酬支払制度としての側面を強調されがちだ。しかし、DPCという略語自体には、何ら支払制度という意味合いは含まれてはいない。単なる「診断群分類」にすぎないのだ。つまり、診断名(Diagnosis)と手術などの処置(Procedure)との組み合わせ(Combination)によって、多様で厖大な数におよぶ患者さん達をグループ分けし、支払いだけではなく、医療の質の比較に用いたり、地域の医療の実態を計測するための「ものさし」として利用しようというのが、DPC本来の意図するところなのである。
じっさい、DPCは色々に使える。また、DPCは14桁の数字によって表されるが、最初の6桁、あるいは2桁だけという具合に、いわばグループ分けの網目の細かさを適宜使い分けることにより、目的に応じた使い方をすることもできる。
例えば、6桁コードで示される診断群別の患者数を全国の二次医療圏(*)毎に推計したデータがある。当院の退院患者数を6桁コード別に算出したものと、このデータとをリンクさせると、二次医療圏(高知中央医療圏)内での当院の「シェア」が診断群別に割り出される。試しにこれを実際にやってみた。
すると、診断群別(内、在院日数30日以下)で計算すると、当院で退院患者数が最多の脳梗塞は、高知中央医療圏の中での当院のシェアは5.3%、4位のパーキンソン病は8.8%などとなる。肺炎・急性気管支炎・急性細気管支炎は院内では2位だが医療圏で見るとシェアは2.9%となっている。
このように院内外のデータをリンクさせることによって、当院が地域で果たしている役割や当院の特徴を、客観的なデータとして示すことができる。右の例で言えば、「当院は高知中央医療圏の脳梗塞の短期入院の内、5.3%を引き受けている病院です」となる。
DPCの本質が「ものさし」である所以である。
*高知県には中央・安芸・高幡・幡多の4つの二次医療圏がある。参考)DPCデータ活用ブック