ニクイシクツウ「美しい国」を逆から読むと、ニクイシクツウ、つまり「憎いし苦痛」だという。誰が最初に発見したか知らないが、うまいこと見つける人がいるものである。医療の世界でも、「改革にともなう苦痛」がますます厳しいものになってきた。
日本医師会は10月25日、7月に実施した「療養病床の再編に関する緊急調査」の集計結果を発表した。これによると、今回の医療区分の導入により全国で介護難民が4万人、医療難民が2万人、発生するおそれがあるという。同調査はまた、医療療養病床の7月分の請求点数についても、1施設あたり前年同月比で約10%ダウンしていると述べている。
また、マスコミでも大きく取り上げられているリハビリの日数制限に関し、保団連(全国保険医団体連合会)は10月26日、脳血管疾患等リハについて保団連が集計しているだけで7,000人弱の患者が打ち切られていると報告している。「リハビリ診療報酬改定を考える会」代表の多田富雄氏(東京大学名誉教授)は本年4月来、「リハビリ中止は死の宣告」と訴え続けている。にもかかわらず、厚労省はこの問題に対して「平成20年度の診療報酬改定に間に合うように検討する」などと、悠長なことを言っている。
そしてわが高知県にあっては、何といっても最大の問題は療養病床の削減である。現在約8,000あるベッドを5年もしないうちに2,900にまで減らそうというのだから……。
5年後の全国、そして高知の医療・介護をめぐる状況がどうなっているか? 先行きはまだまだ不透明である。唯一確実なのは、関係者がよくよく声を上げていかないことには、誰も自国を「美しい国」だなどと、自信をもって呼べるような国にはなっていない、ということだけである。