IZ-News 07年04月号より
ねころんで読めるCDCガイドライン

先月出版された「ねころんで読めるCDCガイドライン」という本(当院図書室の蔵書である)を読んだ。ご存知の通り、CDCとは米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention)のことで、数多くの感染対策のガイドラインを公開しており、本書の副題も「やさしい感染対策入門書」となっている。

この副題の通り、本書は豊富な(しかも笑える)イラストと軽妙な文章で、CDCの基本的な考え方や、参考となるエビデンスを実に分かりやすく解説している。感染対策に関する論理的思考やセンスを身につける上でもおそらく有用で、それゆえ感染対策の担当者はもとより、新人スタッフなどにとっても、適切な入門書となっているのではないかと思う。 本書中で使われている例え話を1つ。

「赤痢患者の腸蠕動音を確認中、患者の下腹部に付着していた粘血便が自分の右第1指に付着してしまった。この事故は昼食の直前の出来事であり、昼食はサンドイッチを準備していた。次のうちから、正しいものを選びなさい。(1)石けんと流水にて手を洗ってからサンドイットを食べる (2)そのまま手を洗わずにサンドイッチを食べて、とりあえず赤痢に感染した後に抗菌薬を服用して治癒させる」
当ったり前のことながら、正解は(1)である。ところが、易感染者にとって、(2)のような事態は手を洗わない医療スタッフにより、日々直面させられているというのだ。MRSAしかり、多剤耐性緑膿菌しかり。自分のためには感染対策するが、患者のために感染対策しない、このような医療従事者になってはいけないよという、戒めの意を込めたブラックジョークである。

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