世情(中島みゆき)先々月から本欄で続いているJ-POPシリーズの第3弾である。と言っても、今回紹介するのは、少々古い曲。中島みゆきの「世情」。1978年の発表だから、ちょうど30年前の曲である。知っている人も多いであろう。リフレインの部分はこう。
シュプレヒコールの波 通りすぎてゆくなにぶん古い曲である。最近の若い人は、シュプレヒコールという単語にも、馴染みがないかもしれない。デモなどで、「われわれは闘うぞー!」とやる、あのスローガンのことである。右の歌詞は、変わらない夢(=平和とか民主主義などの理想)を流れ(=歴史の進歩)に求める進歩派の人々の、変わらない夢(=既得権益など)を時の流れを押しとどめることに求める守旧派の人々に対する闘争のことを歌っているのである。進歩派だの守旧派だのと、世界観がやや古くさいのはご愛敬だが……。
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 闘うためさて、先月の勤労クリニック近藤所長に続いて、来月のX氏(次回のお楽しみ)と、「防治会の原点、あるいは防治会の物語り」というテーマで、投稿をいただいている。これはつまり、わが防治会にとっての「変わらない夢」が何なのか、また、依拠すべき「流れ」が何なのか、見つめ直そうというのが、趣旨なのである。連載がどこまで続くか自信はないが、防治会の古株の方々の投稿が、引き続き寄せられることを、切に期待する次第である。