IZ-News 08年09月号より
成果主義とリハビリ医療

本年4月の診療報酬改定で、回復期リハビリテーション病棟入院料の点数が「1」と「2」とに分けられた。当院はこの9月より「1」が算定できることとなった。1日の入院料は「2」が15,950円。「1」は、「1」を算定する病院のみが算定できる重症患者回復病棟加算を加えると17,400円で、両者の差は1,450円。当院の入棟患者数で換算すると、1ヶ月当り約200万円の差である。

一般病棟入院基本料であれば、点数の差は、基本的には人員配置基準の差である(7対1、10対1など)。ところが、回復期リハビリテーション病棟入院料の場合、月200万円もの収入の差をもたらす違いは、人員配置基準ではない。それは、次の3つである。

・在宅復帰率(60%以上)
・重症者の割合(新規入棟患者の15%以上)
・日常生活機能改善率(重症患者の30%以上が3点以上改善)

これら3つの基準を満たせば、「1」の施設基準をクリアし、原則的には全ての入棟患者に対し、「1」の点数が算定できる。人件費増を直接求めるものではないだけに、病院の収益に与えるインパクトが大きい。

こうした算定方式の背景にあるのは成果主義、あるいはP4P(Pay For Performance)と呼ばれる考え方である。高いパフォーマンスに対して高い報酬を支払うことにより、病院に対し、医療の質向上の動機付けを与えるのがその狙いとされるが、一方で危険性も指摘されている。患者の選別につながるのではないか、というわけだ。回復期リハビリテーション病棟に導入したこの新しい方式が成功したと支払い側(健保組合など)や厚労省が考えれば、今後、他の類型の病棟にも影響が拡がるかもしれない。

すでに医療療養病棟では、今年4月から、褥瘡・ADL低下・尿路感染症・身体抑制など、医療の質に関わるデータの計測・記録が義務づけられている。これらの指標が支払いに利用される日がいずれやって来るのだろうか?


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