IZ-News 09年05月号より
患者用駐車場問題

外来の待ち時間というと、どの時点からどの時点までのことを指すとお考えだろうか? ふつうは、患者が受付を行ってから診察室に入るまでというのが一般的な認識だろう。ところが、患者が当院に自家用車で来院した場合、駐車するのに行列をつくって待つことが常態化していることをご存じだろうか? 患者からすれば一刻も早く診てもらいたいのに、駐車場での足止めを余儀なくされる。このストレスを考えるなら、駐車場での待ち時間も、いわゆる待ち時間の中に算入してしかるべきだろう。

たとえば今、患者用駐車場で自動車5台の行列ができているとする。私はいつも「うちの職員が5人、患者用駐車場に駐車するのを止めていれば、この行列の患者は待たなくて済んでいるのに」と思っている。というのは、職員用駐車場の数が足りず、職員の駐車が患者用駐車場に一部割り込んできている現実があるからだ。

職員が他で駐車場を確保した場合、賃料を補助する院内の制度があるが、必ずしも広くは普及していない。周辺の駐車場資源そのものが貧弱だからだ。だが本当にそうか? 先月、病院の近所を回ってみた。最初に訪ねた不動産屋ではたしかに「空き駐車場の物件は一件も出てない」と言われた。それでも歩き回っているうち、7台の空き駐車場を見つけた。丹念に、そして継続的に探せば、物件はもっと出てくるはずだ。当院で担当者を定め、定期的に探索し、職員に斡旋して行けば、現在のような「行列」はかなりの程度、解消するはずだ。駐車場警備のためにいま取られている当院担当職員の手間だって減る。

とは言え、それでもまだハードルが存在する。駐車場の賃料補助制度にもまだまだ課題があるという声がある。制度運用には原資が必要で、これとて限界があり、どこかで支出を増やせば、どこかは削減を考えなければならない。

だが、重要なのは、当院の患者サービスにとって今何が重要な問題で、解決のためにどんな方法があるか、労使が心をひとつにして真剣に考えることだ。変えられない現実は何で、変えることのできる現実は何か。簡単に決めつけたりあきらめたりせず、とことん追究する。ベースとなる価値観は「患者本位」。この原則さえ共有できれば、一見困難と思えるような事であっても、案外、解決の方向性は自ずと見えてくるのではないだろうか。


mailto:agrito@mb.pikara.ne.jp