IZ-News 09年10月号より
山が好き

10月になると心が騒ぐ。良く晴れて空気が澄んだ朝の出勤時、わが家の玄関を出ると高知市の北山越しに嶺北の山々が、その東に香北の山々が良く見える。こんな時は仕事に行くのがもったいないという気持ちになる。「山が呼んでいる」とさえ思ってしまうことがある。

山が好きだ。紅葉の頃は尚更だ。
明るい林や見晴らしの良い尾根、笹原。鳥の声や渓流のせせらぎの音。そして歩行という有酸素運動によって自身の心身が賦活化してくる感覚。そうしたものすべてが心地良い。紅葉の時期ともなると、石鎚あたりは今は山頂付近か、来週は八合目辺りかなどと、ネットで情報収集しては、いつ山へ行く時間が取れるだろうかと、やきもきしてしまう。

このような感覚って一体何なんだろうと、時々思う。山の自然の中に浸かっていたいという感覚。それは思うに、一種の共振現象のようなものではないか。豊かな自然の中にいると、周りの草木や鳥や獣や虫、さらに微生物にいたるまで、実に多様な生き物が、それぞれに精一杯の生を奏でていることが本能的に実感できる。そうした生のざわめきのような動きに、自身の心身が刺激を受けるのではあるまいか。極端に言えば、己自身が自然に一体化して、あたかもその自然全体が一個の有機体となったかのように……。

さて。わが病院組織も、すべての職員、そして利用者たる患者さん達も含め、全ての生が響き合う一個の有機体のような組織になれるだろうか? そうなれば、病院に出勤するのにも、ワクワク感が味わえるかもしれないのだが……。


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