IZ-News 09年12月号より
ジョギングの風景

例年、冬場になると、夏の間休んでいたジョギングを再開する。いつも走っているのは、鏡川河口近くの堤防上、往復2kmのコースだ。記録をつけ始めた2002年からの累計で4,600kmあまり走っているから、2,300往復はした勘定になる。ジョギング中の楽しみはと言うと、走りながら、鏡川に集まってくる生き物、とくに鳥たちを観察したり、周りの景色を楽しんだりすることだ。

例えば。ミサゴの狩りの場面をよく見かける。上空をしばらくホバリングしたかと思うとさっと身を翻し、水中にダイビングして魚を捕らえる。しかし、鏡川で見ている限り、狩りはほとんど失敗しているようだ。それでも懲りずに何度も水中にダイブするさまは、何やらわが身を見ているようで、つい頑張れ! と言いたくなる。

カモ類なども楽しい。摂食時に水中に突っ込む首の角度が種によって違ったりするのも発見だ。おそらくオナガガモだと思うが、水面からほとんど垂直に尻を出し、倒立したような姿勢で、集団でガツガツ音を立てている様子などは壮観である。

集団で飛ぶ鳥の代表格と言えば、ハマシギとムクドリだろうか。だが、両者の群れの様子は対照的だ。ハマシギは、群れの一羽一羽が実に見事にシンクロして、素早く一斉に方向転換したりする。それはあたかも社会主義圏のマスゲームを見ているようだ。一方、ムクドリはというと、群れのかたまりがなんだかもっちゃりした感じで愉快だ。

とっておきの景色をひとつ。それは朝焼けの頃。鏡川右岸、板垣帰朝記念碑(丸山台の対岸)のあたりから五台山を望む景色である。空も川面も、辺り全体が黄金色に輝く中に五台山のシルエットが浮かぶさまは、えもいわれぬ美しさだ。

こうして見ると、日常の何でもない風景の中に、案外と楽しみや、うまくすれば感動を見つけ出すことができる。逆に、われわれが日々ふつうに提供する医療サービスが、患者さんにとってそのような景色となれば、なかなか喜ばしいことだ、とも思うのである。


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