IZ-News 10年8月号より
愛しき水生昆虫

私の少年時代、夏ともなれば、近所の川や田圃の水路が私の遊び場だった。トンボ捕りやザリガニ釣りなどもよくやったが、私の一番の友人はさまざまな水生昆虫たちであった。タイコウチ、ミズカマキリ、コオイムシ、アメンボ、ガムシ、ミズスマシ、それに各種のヤゴたち。こういった虫たちを水辺でずっと眺めているのが好きだった。ただし、山や森林が近くになかったせいか、水生昆虫の王者とされるゲンゴロウやタガメには、残念ながらお目にかかることはなかった。

そのゲンゴロウだが、東京都ではすでに絶滅したと、このほど(6月30日)発表があった。タガメも環境省レッドリストに登録されている絶滅危惧種だ。

私の田舎でも、かつて実家の目の前に広がっていた田圃は潰され、花をテーマにしたテーマパークなんぞになっている。私のかつての友人たちは、公園の池で今でもしぶとく生き続けているのだろうか? 虫たちにとっては難儀な世の中だ。このような世界は、人間にとっても決して「豊か」とは言えないように思うのだが、如何なものだろうか?

2010年は、国連が定める「国際生物多様性年」だそうである。


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