実事求是とDPC実事求是(じつじきゅうぜ)という言葉をご存知だろうか?
辞書で引くと、「中国の古い成語。理念からではなく、事実をきわめて、事物の真理を求めること」と書いてある。かつて、中国共産党の最高指導者毛沢東がこの言葉を好んで用いた。そのため、日本でもひと頃はよく使われた言葉である。その毛沢東は、実事求是についてこのように述べている。
実事とは客観的に存在する一切の事物のことであり、是とは客観的な事物の内的なつながり、つまり法則性であり、求とはわれわれが研究することである。 主観的な想像によるのでも、一時的な情熱によるのでも、死んだ書物によるのでもなく、客観的に存在する事実にもとづいて、材料を細部にいたるまで自分のものにし、(中略)これらの材料のなかから、正しい結論をひきださなければならない。※さて。先月末、私は第1回臨床データ分析研究会と銘打って、DPCデータの各種統計への活用をテーマに院内で講義させてもらった。やや大げさな名称ではあるが、会の名称をこのような定期開催を匂わすものにしたことには理由がある。今回の講義を端緒として、今後、電子カルテやDPC調査データから得られる情報を各部署で分析・活用し、報告し合い、切磋琢磨し合う研究会を院内で継続的に開いていきたいという希望があるからだ。当院に電子カルテが導入されて2年。DPC対象病院となって1年が経過した。当院の電子カルテの中には厖大なデータが蓄積している。これらのデータは、それ自体はただのデータに過ぎないが、これらデータ間の「内的なつながり」を解き明かすことによって医療・看護の質や経営の質を測り、改善するための「情報」に変えることができる。つまり、データとは実事、分析とは求是である。
実のところ、私は、当院がDPCを導入する一番の目的は、実事求是と実事求是の院内風土(毛沢東流にいえば作風)の推進にあると、当初から考えてきた。 実事求是(じつじきゅうぜ)。なかなか良い合い言葉だと思いませんか?
※ 毛沢東「われわれの学習を改めよ」より