IZ-News 12年04月号より
改定DPC点数

隔年で実施される診療報酬点数改定にともなうDPC点数改定では、DPC診断群の樹形図の変更も行われる。本年の改定で、各医療機関に及ぼす影響がかなり大きいと思われるのが「肺炎・急性気管支炎・急性細気管支炎」(以下「肺炎」)の診断群である。

旧点数では、「肺炎」の診断群には副傷病として心不全、2型糖尿病、胸水貯留などが定義されていた。これら副傷病が併存症または後発症として存在している場合、包括点数が高くなる仕組みだ。それが新点数では、副傷病の有無は考慮されなくなった。これを図示したのが図1だ。図の横軸は入院期間、縦軸は1日当たり単価(包括分固定点数)に当院の医療機関別係数を加味した値である。これを見ると、新点数は旧点数の「副傷病なし」よりは高いが、「副傷病あり」と比較すると入院期間によって上下関係に変動が生じる。ちなみに、入院日からの累積点数で比較すると、入院7日目までは新点数が上、8日目から27日目までは旧点数が高く、28日目から再び新点数が逆転する。

また、こんな変更もあった。
旧点数では、誤嚥性肺炎は「肺炎」の診断群の中に含まれていたが、新点数では新たな診断群「誤嚥性肺炎」として分離独立した。両者の点数比較は図2の通りである。入院日からの累積点数で比較すると、「誤嚥性肺炎」の方が「肺炎」よりも一貫して高点数となり、包括期限も長く設定されている。

さて、こうした樹形図の変更はどのような根拠に基づいて行われているのだろうか? 公式には、各医療機関から提出されるデータによって資源投入量の実態を分析し、それを点数(樹形図)に反映するのだとされる。「肺炎」の旧点数における副傷病有無による点数の差は、たとえば入院20日間の累積で112,500円ほど(当院の係数を適用した場合)にも及ぶ。大きな差だ。だが、各医療機関が提出するレセプトにおける副傷病有無のバラツキは、もしかしたら患者の病状による違い以上に各医療機関の請求技術(姿勢?)の違いによるバラツキに大きく依存する傾向があったかもしれない。となると、こうした点数の格差は不公平ということになりかねない。この「是正」が、あるいは今回の変更の目的だったのか? では、「誤嚥性肺炎」の分離独立の方にはどんな背景があったのか?

と、こういった思案は下衆の勘ぐりに過ぎないかもしれない。だが、このように考え出すと、色々と興味が湧いてくる。DPC包括支払いという制度もまだまだ発展途上なのかな〜というのが、正直な印象である。


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