United in our diversity今年の高知の夏は、通り雨や天気雨がやたらと多かったように思う。そのせいか、雨上がりの空に架かる虹を見ることも、例年と比べ多かった気がする。虹といえば、南アフリカ共和国に「虹の国」という別名があるのをご存知だろうか? かつてのアパルトヘイト(人種隔離政策)を克服したかの国は、新たな建国の理念として、すべての人種が違いを認めながら対等に力を合わせ、開かれた国家をめざそうという意味を込めて「虹の国」というスローガンを掲げたのである。
この国の憲法前文の中には「united in our diversity(多様性の中の団結)」というくだりがある。なかなか良い言葉だと思う。さらに憲法本文の「法の下の平等」の項では、人種の他に、ジェンダー、妊娠、婚姻関係、エスニックないし社会的な出自、皮膚の色、性的指向、年齢、障害、宗教、思想、信条、文化、言語、出生を理由として国家が人を差別することはないと謳っている(9条3項)。
さて、今年のロンドンオリンピック。私がもっとも嬉しく思ったのは陸上女子800m。南アフリカ共和国のセメンヤ選手が銀メダルを獲ったことだ。彼女は近年、性別疑惑というとてもデリケートでやっかいなストレスに苦しめられていたが、そうした困難を乗り越え、勝利したのである。
虹の色と色の間に明確な境界はない。性もまた同様。境界のあいまい性を認め、受け入れることは、多様性を尊重することでもあると思う。昨今、わが国でというか、わが国を含む周辺諸国間で何かと「境界」が話題になり、声高な議論ばかりが聞こえてくる今日この頃でもある。ここはひとつ、多様性や境界のあいまい性、さらには多様性の中の団結、協調というテーマについてじっくり考えてみるのも一興だと思うのだが、如何だろう?