IZUMINO-izm 14年01月号より
選ばれた場所

先々月、先月と、「自身の信ずる原理・原則の希求」というテーマに絡んで「山のあなた」「虹の彼方に」「人権という幻」など、様々な韻文や散文の作品を紹介してきた。今回はもう一つ、パウル・クレー(1879〜1940)の絵画に谷川俊太郎(1931〜)が詩を寄せたコラボ作品を紹介しよう。

余計な能書きは不要。じっくり味わっていただけたらと思う。


選ばれた場所

そこへゆこうとして
ことばはつまずき
ことばをおいこそうとして
たましいはあえぎ
けれどそのたましいのさきに
かすかなともしびのようなものがみえる
そこへゆこうとして
ゆめはばくはつし
ゆめをつらぬこうとして
くらやみはかがやき
けれどそのくらやみのさきに
まだおおきなあなのようなものがみえる

※出典)クレーの絵本(P・クレー/谷川俊太郎、講談社、1995年)

 

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