多職種カンファレンス診療報酬改定の季節である。診療報酬改定には、往々にして「このような医療を進めてほしい」という、厚労省のメッセージが盛り込まれるものだ。今回ひとつ、私の目についたのは、“多職種カンファレンス推奨”のメッセージだ。以下、当院とも関係あるところで2つ例にとる。
1.胃瘻造設術
胃瘻造設術の減算要件が見直され、減算を免れるための要件として、次の項目が追加された。
2.ADL維持向上等体制加算
- 胃瘻造設を行う患者全員に対し多職種による術前カンファレンスを行っていること。
- 胃瘻造設を行う患者全員に対し経口摂取回復の見込み及び臨床的所見等を記した計画書を作成し、本人又は家族に説明を行った上で、胃瘻造設に関する同意を得ること。
ADL維持向上等体制加算の施設基準に、次の項目が追加された。
どうだろう? 胃瘻造設術に係る減算は当院の場合、年間約115万円(年67件として)である。この減算をなくすことと、上記要件を満たすために必要となるコストとの兼ね合いを考慮すべきという見解もあろうが、医療の質向上にとって有意義なら、多職種カンファレンス導入を前向きに考えてみるべきかもしれない。ADL維持向上等体制加算にしても、「急性期における早期リハ促進」「質・密度の高い介入を行っていると認められる病棟の評価充実」との考え方により、今回点数が25点から80点とアップしている※。キーワードは「質」である。
- 自宅等、想定される退棟先の環境を把握し、退棟後に起こりうるリスクについて、多職種のカンファレンスで共有していること。
- 機能予後について患者がどのように理解しているかを把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。
- 患者が再び実現したいと願っている活動、参加について、その優先順位と共に把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。
※当院の実績(年額換算)に当てはめると、約98万円から313万円へのアップ