鄭さん鄭良二(チョン・ヤンイ)さん。私の旧くからの知人だが、なかなか強烈な自我の持ち主である。
彼は日本籍コリアン。彼が高校1年の時、家族そろって日本国籍を取得した。わが国の当時の入国管理行政は「帰化=同化」という風潮が強く、日本国籍取得にあたっては、姓名を日本風に改めさせることが普通に行われていた。彼は高校3年の頃からコリアンとしての自覚が強まり、本来の民族名を名乗って生きたいと思うようになった。そして、民族名を日常的に名乗るようになってから10年あまり経ったとき、家庭裁判所に氏変更の申し立てを行った。紆余曲折の後の1987年、氏変更は認められた。こうした訴訟等によって、現在は、「名前は人格権の一部」という観念が定着している。
彼は大学卒業後、大阪府立高校の朝鮮語教員となった。また、自身の闘いを通して国籍法や戸籍法への問題意識を持つようになり、結婚も法律婚ではなく事実婚を選んだ(実は、彼の連れ合いも、さらに旧い私の知人)。
彼は「超」のつく肉体派である。トライアスリーターであり、全日本トライアスロン宮古島大会では、外国人優待選手(?!)として出場したこともある。その彼が今春、府立高校を定年退職し、5月からなんと自転車による世界一周の旅に出ている。日本国際自転車交流協会のホームページ中、「現在海外走行中のペダリアン」というページには、彼の名が載っている。
彼の旅先からの便りが待ち遠しい。