惑星直列惑星直列とは、その科学的定義は存在しないが、一般的に、太陽を起点として、地球を含む多くの(3つ以上?)惑星が同時期に直線に近いかたちで並ぶ現象を指していう(Wikipedia)。しかし、3個以上の惑星が完全に一直線(5度以内の範囲)に並ぶことは、まさに「天文学的な」確率でしか発生しないという。
また、惑星が一直線に並ぶと多くの惑星の総合された重力が太陽に異変を起こし、地球にもその影響がおよぶとの説があるが、これはオカルト雑誌レベルの俗論だ。実際には、惑星直列による重力の変化は、月と太陽による潮汐の数十万分の一以下であり、問題とはならない。
さて、2018年。今年の医療界をこの惑星直列に喩えて危機を煽る言説がさかんに流布されている。この手の「危機アジテーション」の発信源はどうせどこかの医療コンサル業者あたりだろうと思っていたが、どうやら他ならぬ厚労省本省が、この喩えの出どころらしい。天下の厚労省も品のないマネをするものだ……。
で、2018年の医療界とかけて惑星直列と解く、そのココロはというと、つまりはこういうことだ。2018年は診療報酬と介護報酬の同時改定がある。さらには第7次医療計画と第7期介護保険事業計画の開始年でもある。このように、2年、3年、5年と周期の異なる改定や計画更新が同時期に起こることを各惑星の公転周期の重なりに喩えたわけだ。複数の異なる制度が同時に切り替えの時期を迎える2018年は、制度横断的な改革を行う絶好のチャンスだと厚労省は言う。現在急速に進行している少子高齢化、多死社会に対応し、地域包括ケア体制を構築するためのさまざまな制度改革が大きく動く、そのような1年になるのだと……。
なるほど。そう聞くと、われわれの生活や稼業への影響は、現実の「惑星直列」などよりもはるかに大きいのかもしれない。しっかりとアンテナを立てて制度の行く末に目を凝らし、しかし感覚的な煽動に惑わされることなく冷静に判断し、病院経営の持続可能性を高めながら地域医療に貢献する。そのような1年にしていきたい。